サプリメントは健康維持に役立つこともありますが、有効性の根拠が不明なものもたくさんあります。
この記事では科学的根拠がしっかりある、信頼性の高い情報を得る方法や具体的なサプリメント成分についてまとめました。
質の高い情報を得る方法
サプリメントは身近なもので、6割近くの方が1年間に何らかのサプリメントを利用しているという調査もあります。
しかし残念ながら日本で流通してるサプリメントは玉石混合で、国民生活センターに寄せられる相談は毎年3500件にもなります。
海外では医療費の自己負担が高く、病気を予防するセルフメディケーションという考え方が浸透している国もあり、サプリメントの消費者自らが学術論文を紐解いています。
しかしこうした論文はそもそも英語で書かれているので、英語の医学関連の言葉に慣れていない方が活用するのは至難のわざです。
日本語で信頼性の高い情報を得る最も確実な方法は、厚生労働省も推奨するナチュラルメディスンデータベース (NMDB) 日本語版の活用です
アメリカで編纂されているデータベースであるナチュラルメディスン (Natural Medicine)を原典として、健康食品やサプリの素材や効き目、安全性、相互作用などについて、科学的根拠に基づく情報を博士号を持つ専門家たちがまとめた本です。本の監修は日本医師会などがしています。
結局、しっかりした本で「調べてから使う」というのが一番効くのです。
有効性は「効く」を意味する「1」から、「全く効かない」の「レベル6」の6つに分けられています。
この記事の後半では、この日本医師会監修の本を出典としてレベル1や2の高評価を得たサプリメントをご紹介します。
特に科学的根拠がしっかりしているレベル1のサプリメント
貧血に対する鉄
レベル1。貧血の原因の一番多いものは鉄欠乏によるものです。したがって鉄欠乏による貧血には、鉄分の補充は症状の改善と予防に有効です。
便秘に対するマグネシウム
レベル1。適量であれば安全な薬です。
便秘に対するオオバコ
レベル1。雑草由来で食物繊維が多いため、摂取により便秘を改善します。たくさんの水分とと一緒に摂る必要があります。
高中性脂肪血症に対するフィッシュオイル
レベル1。n-3系不飽和脂肪酸が多く摂取すると中性脂肪の値が低下することが言われています。
胸焼けに対するカルシウム・マグネシウム
ともにレベル1。炭酸カルシウムや水酸化マグネシウムを摂取すると消化不良が改善します。これらをセットにしたサプリメントもあります。
緊張性頭痛・偏頭痛に対するカフェイン
レベル1。通常の薬物治療にカフェインを併用すると有効と言われています。
有効性レベル2のサプリメント
虫歯に対するキシリトール
レベル2。ガムなどの食品に配合して摂取すると、虫歯の進行を減らせる可能性がいわれています。
睡眠障害に対するメラトニン
レベル2。睡眠と覚醒のサイクルに不調がある方に特に効果が期待できます。
メラトニンは光の量で大きく変動する【睡眠サプリの注意点も】もお読みください。
[getpost id=”817″ title=”関連記事” ]
高コレステロール血症に対するオオバコ
レベル2。摂取によりLDLコレステロールの減少が期待されます。
高中性脂肪血症に対するEPA
レベル2。高脂血症治療薬 (特にスタチン系の薬剤) と併用すると中性脂肪の値が低下することが言われています。
EPAは治療薬としても使われています。治療薬は高脂血症 (脂質異常症) の治療薬【種類と副作用】にまとめました。
[getpost id=”2049″ title=”関連記事” ]
高血圧に対するカリウム
レベル2。多くの研究で血圧が低下することが示されています。
骨粗鬆症に対するカルシウム・ビタミンD
ともにレベル2。骨量低下の予防や改善に有効で、特にビタミン D と併用すると骨折の予防にもつながる。
心疾患に対するフィッシュオイル
レベル2。魚の摂取は、心臓に異常のない人の心疾患を予防する可能性が言われています。
サプリメントの注意点
まずどういう効果が期待されるかをしっかり確認しましょう。
そして、有効な成分だったとしても、服用している薬がある場合は相互作用の関係で効かなくなることもあるので、必ずかかりつけ医に相談してください。
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 日本のサプリメントは玉石混交
- しっかりした科学的根拠のあるものを選ぶという意識が重要
- 飲み合わせの問題もあるのでかかりつけ医に相談が望ましい
今日も【医学・生命科学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。