オンライン英会話NativeCampを始めてから1年がたったので、その感想をまとめておこうと思います。
これから始めてみようかなと思っている方の参考になれば。
この記事の内容
はじめに
まずどうして英語を話せるようになりたいのか、それをもう一度明らかにしましょう。
目的意識がないとどんなことも続きませんし、どれくらいの英会話レベルが必要なのかということもその目的によって違いますよね。
わたしの本業は科学者であり、研究成果の発表は英語で行われます。
さらに1年以内にアメリカに研究者として留学する予定もあります。
つまり仕事に必須だということですね。仕事で必要な場合は、海外旅行に必要なレベルよりも高いレベルが必要です。
そのためどうしても英語を勉強する必要がありました。
オンライン英会話をはじめたころは、英語を読むことに関してはそれなりに自信がありましたが、ほとんど話す機会がなかったので、スピーキングに関してはしどろもどろでした。
そういう人って少なくないと思います。日本にいる限り英語で話す機会ってそうそうないですもんね。
だからこそ徹底したスピーキングのトレーニングができるところを探しました。
スピーキングに絞るということは、例えば単語や文法を覚えるというようなことは求めていません。
そういうのはオンライン英会話ではなく、自分で勉強すればいいじゃないかというの個人的なスタンスです。
今はいろいろ便利な時代でして、例えば学習用の英英辞書だって無料で利用できます。
[getpost id=”1844″ title=”関連記事” target=”_blank”]そもそもカランメソッドって?
色々調べたところ、スピーキング力向上という目的にはカランメソッドが最適だという結論に至りました。
これはダイレクトメソッドと呼ばれている方法で、日本語を一切挟まずにひたすら英語を喋り続けるという方法です。
というよりもむしろ、日本語で考える時間がない、といった方が正しいでしょう。それくらい早く講師の先生が次から次に質問してくるのでそれに答えないといけません。
だからこそ他の方法と比べ、徹底的にスピーキングの練習をしたい人にとってはうってつけの方法です。
カランメソッドは「4倍速で英語を話せるようになる」と宣伝されています。本当に4倍かはさておき、話す量が圧倒的に多いので確かに短い時間で英語を習得できるでしょう。
レッスンでは、講師がまず新しい単語について説明をしてくれます。
ただ、この説明は完全に英語で、しかも質問禁止なので集中して聞き取る必要があります。その後、2回英語の質問をし、それについて「すぐにフルセンテンスで」英語の答えを返すというのをひたすら繰り返します。
この「フルセンテンスで」というのがとても大事なポイントで、とっさに英語が出てくる人は日本人ではあまりいないと思います。
実際のレッスンの様子のビデオがありましたので、貼り付けておきます。
カランメソッドのレベル
カランメソッドでは、ステージ1から12までのレベルに分けられています。
例えば、これはステージ1です。
ここはIt’ a pen.といった中学1年生の内容からスタートします。ちなみに、やったことがないのでレビューできませんが、もっと初歩のアルファベットから始まる子供向けのカラン for kidsもあります。
ステージ2はこちら。
だいたいですが、ステージ2か3あたりで中学3年生相当、さらにステージ4では高校生の中でも英語ができる方のレベルになります。
あくまで個人的な意見ですが、海外旅行に行くくらいならステージ1と2だけで十分に会話ができます。
ステージ3と4も行えば日常会話に困ることはほぼないでしょう。仕事に使わないのであればステージ4までで十分です。
具体的な例文はカランメソッドステージ10までの体験談【レベル・所要時間・効果】をご覧ください。
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ステージ5は仕事に使うのに必要な最低限度のレベルといった感じ。この辺りからは英語力の上昇が緩やかになるので、ちょっとずつステージ6, 7とレベルアップしていきます。このあたりは英検で言うとだいたい準1級といったところでしょう。
ステージ8から10ぐらいの間はさらに磨きをかける段階で、このレベルなら仕事で十分に使えます。
そしてその上のステージ11, 12になってくると英語が母国語でない人の中では、かなり流暢な上級者です。
ちなみにカランメソッドのステージと、国際的な英語力レベルの指標であるCEFRの対応表はこのようになります。
大学入試センター試験はA 2レベルなので、センター試験で7割とれるレベルがA2ですね。実際の平均点は5割程度なので、多くの受験生はA2レベルには達していないでしょう。
大企業が社員を海外赴任させる時の基準は B 1レベルと言われています。
参考までに英検やTOEICなどCEFRの対応表も載せておきますね。
注意しないといけないのは、カランの場合スピーキングのみが評価されるということです。
日本人は英語を読むことに比べて話すのは非常に苦手なので、よほどスピーキングに自身があるのでない限りは英検や TOEIC などのレベルよりも1~2段階下だと思っていいでしょう。
つまり英検2級 / TOEIC 600点の方なら、CEFRではB1レベルですが、カランメソッドではA1~A2相当、つまりStage 2か3レベルからということです。
読むのは少し簡単すぎるというぐらいのレベルから、英会話のトレーニングを行うのが実はちょうどいいのです。
難しい文章を読むことができるのに、話せるのはずっと簡単なことだけ、という人は大勢います。いきなり難しいレベルをやっても、基礎がないのに時間の無駄です。
簡単に感じるくらいの基礎レベルから口の筋肉を鳴らして瞬時に反応できる瞬発力を磨くのは大事なことだと、1年間のレッスンを通して理解しました。
わたしもTOEICのスコアは900を超えていたのにステージ3レベルと判断され、そこからやりました。
効果
ネイティブキャンプというところで、1年間で300回のレッスンを行いました。ほぼ毎日です。
1回のレッスンは24分なので、合計で130時間やったことになります。
カランメソッドはずっと集中していないといけないので疲れます。
1日に複数レッスンをする方もいらっしゃいますが、私はそれよりも1日1レッスン、そして復習に十分時間をかけるというのが効果的だと思います。
忙しければ2日に1レッスンとかでもいいと思いますか英語を話す頭の構造、いわゆる英語脳は、特に最初のうちに集中してトレーニングをして身につけてしまうのが良いと思います。
私の場合は最初はとても簡単なこと、例えば「このドアはあなたよりも高いですか」のような質問でもフルセンテンスで答えるのはなかなか難しかったですが、すぐに慣れてきます。
ステージ3から始め300回のレッスンでステージ10まで終わりました。
ステージ10まで来ると言いたいことはほとんど自由に言え、研究発表やその後の英語での質疑応答など概ね困らなくなりました。
始めた1年前と比べれば大きく英会話力は向上したと思います。
これについては長くなるのでカランメソッドステージ10までの体験談【レベル・所要時間・効果】 でまとめています。
[getpost id=”814″ title=”関連記事” target=”_blank”]カランが効果がない2タイプ
カランメソッドが不向きなタイプの人も2種類います。
それはまだ英語の基礎力が不足している場合です。
カランメソッドのテキストの文を見て難しいと感じる場合、まず英文法や単語の復習をすべきです。
もう1つ、カランメソッドで英語を「勉強しよう」という発想のパターンです。
バッティングセンターを考えてみてください。
バッティングセンターでバットの握り方から学ぶ人はいますか? バッティングセンターとは、既にフォームなどができる人が実際の球をどんどん打つ練習をするところです。
カランメソッドもそれと同じです。
基礎的な力がある人が、これまで足りていなかったスピーキングの実践練習を集中的にやる場所です。
カランメソッドは、英語の「勉強」ではなく「訓練」に向いています。
ネット上にはカランメソッドで効果がなかったと言う記事を書いていらっしゃる方もたくさんいますが、それはカランメソッドの正しい使い方を知らなかっただけだと思います。
復習が超重要
カランメソッドのレッスン中はひたすら画面で先生と話をする必要があるのですが、その後テキストを使ってしっかりと復習をすることが大事です。
むしろこの復習だけやればいいです。予習に関しては一切いりません。
ネイティブキャンプでトレーニング
カランメソッドができる学校というのはまだ多くありません。
その理由はカランソッドを開発した団体がしっかりしたトレーニングを提供しているのですが、トレーニングを修了した正式な学校でしか認めていないからです。
カランメソッドを提供しているスクールも、先生1人に対して生徒が複数だとあまり効果はないかもしれない。
カランメソッドはどんどん話すというのが最大の特徴なのに、生徒が多いとそのぶん話す時間が減るからです。生徒が二人だと半分3人だと1/3という感じです。
私はネット上でカランメソッドを提供してくれる学校を探しました。イングリッシュアイランドなど5社ほどあったのですが、そのうちネイティブキャンプにした最大の理由は、月に5900円の定額で英語のレッスンを1日何回でも受け放題だからです。
他の会社は、1日1回までとか週に2回とかいう制約がありますが、ネイティブキャンプはでは1日10時間練習することもできます (あまりお勧めはしません)。
いつでも空いた時間に予約不要でレッスンができるこのシステムはとても魅力的です。他の会社さんにも見習ってほしい。
地味だけど意外とばかにできないのは、予約をとるのも実際のレッスンも全てネイティブキャンプのサイト内で完結しているというところ。
他のオンライン英会話学校だと予約はオンライン英会話 school のウェブサイト、実際のレッスンは Skype でと言うのが普通です。それってちょっとめんどくさくないですか ?
実際、ネイティブキャンプを使う前に、お試しで産経オンライン英会話というところでレッスンを受けていたのですが、ここもスカイプを使います。
自分のスカイプの連絡先に、SHLから始まる講師の先生がこんな感じでどんどん増えていくわけですよ。
これがいまいちで産経オンライン英会話は結果的にやめてしまいました。
英語の訓練は長丁場です。こういう細かい心配がないネイティブキャンプは個人的には相性がよかったです。
単語や英作文は自分で勉強が必要
カランメソッドはあくまで英語脳を作ることですので、標準的な高校英語 (センター試験レベル) を習得した方であればあまり見られない単語が出てくることはありません。
このレベルは単語数で言えば3000単語レベルです。一方で、ネイティブの10歳は1万単語の語彙を認識します。3歳ですら、3000語も使いこなします。詳細はこちらの記事 (外部サイト) をご覧ください。
つまり「標準的な高校英語」で身につける英単語は、「ネイティブの3歳児」レベルです。旅行等ではいいかもしれませんが、これだけでは仕事で使えるレベルにはならないですね。
語彙に関しては自分で身につける必要がある、ということはオンライン英会話を始める前に認識しておいた方がいいでしょう。幸い、無料で使える英英辞典もあります。
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こういうものを最大限利用して、英語を身につけたいですね。
英語の4技能 (読む・書く・話す・聞く)のうち、「書く」についても、オンライン英会話では身につきません。ネイティブに添削してもらうことも昔は難しかったのですが、スマホ時代の現代は書くことに特化した学習サービスも出てきています。
まとめ
最後にこの記事のダイジェスト版をまとめておきます。
- なぜ英会話を勉強したいのか目的をもう一度はっきりさせる
- カランメソッドは圧倒的に話す量が多い、だからこそ短時間でレベルアップ
- 少し簡単すぎるレベルからがちょうどいい
- ステージ3からほぼ毎日やった場合、1年でステージ10まで終わった
- カランメソッドは英語の「訓練」をする場所。「勉強」は他の場所で
- カランメソッドは1にも2にも復習
- (おまけ) 個人的にはネイティブキャンプの1択
今日も【医学生物学領域のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。