先日、第14回生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウムで研究発表をしてきました。この記事では、その参加報告をします。
生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウムとは
国立大学には、医学部や理学部などといった学部とは独立した附置研究所を持っているところがあります。
北海道大学の遺伝子病制御研究所
東北大学の加齢医学研究所
東京大学の医科学研究所
東京医科歯科大学の難治疾患研究所
群馬大学の生体調節研究所
金沢大学のがん進展制御研究所
京都大学のウイルス・再生医科学研究所
大阪大学の微生物病研究所・蛋白質研究所
徳島大学の先端酵素学研究所
九州大学の生体防御医学研究所
熊本大学の発生医学研究所
それらの附置研究所の取り組みや研究成果を明確に社会へ発信するために、12の生命科学・医学系の附置研究所が連合して、2005年以降に国際シンポジウム「研究所ネットワーク国際シンポジウム」を開催してきました。
14回目の今回は、大阪大学微生物病研究所・タンパク質研究所がホストとなり、各研究所から選ばれたメンバーを中心としたシンポジウムが行われました。
第14回ネットワーク国際シンポジウム
今回は、「FRONTIER in MEDICAL SCIENCE and MICROBIAL DISEASES」 (医学および微生物疾患におけるフロンティア) というテーマのもと、12の研究所および海外の生命科学・医学系研究者およそ140人が集まりました。
会場は大阪大学の銀杏会館です。
1日目
1日目の午前中には「Advanced Technologies in Medical Science」というセッションがあり、機械学習を使った生命医学研究について議論がかわされました。
【生命医学をハックする】運営者も、人工知能を活用した個別化医療への取り組みについて発表しました。
午後には、「Novel in vivo approaches in Medical Science」でショウジョウバエを活用した抗がん剤スクリーニングの話や、遺伝子編集技術CRISPRを使ったスクリーニングの話がそれぞれの開発者の研究者からありました。
その後、「Cancer Biology and Regulation」では、がん研究における進歩について議論しました。
2日目
2日目の午前中は、「Cellular Signalling and Development」についてのセッションで、発生学や幹細胞についてのレクチャーが4つありました。個人的には、ゼブラフィッシュというモデル生物を使って発生過程に必要なWntの濃度勾配が正しく保たれている仕組みを解き明かしたという発表が印象的でした。
午後には「Immune Regulation and Diseases」というセッションで、免疫学についての発表が5つありました。
まとめ
今回はそれほど大きくない学術集会だったこともあり、1万人規模の参加者がいる大きな学会とは違って参加者同士の距離が近い会でした。
専門性が違う人達がこのような会で接することでコラボレーション (共同研究) が始まり大きな成果になっていくこともよくあるので、今後も機会があれば積極的に参加していきたいです。
※ これから学会発表をはじめてするという方向けの記事、学会ポスター発表前に知っておくべきこと全て 【デザインのコツから発表後の注意点まで】も書いています。
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