オンライン診療が2018年に解禁されて以降、ますます注目を集めています。特に医師不足の地域において、有効な打開策になりうるからです。
この記事では、オンライン診療アプリの特徴をまとめました。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマホやパソコンなどのビデオ機能を使って、医師がネット上で患者を診察したり処方するなどの診療を行うことです。
平成30年3月に厚生労働省が「オンライン診療の適切な実施に関する指針」をまとめ、4月以降に保険適用になりました。
2018年度に約39兆円である医療費は、2025年には約47~48兆円、2040年には約67~69兆円になると言われています。
しかしこのように医療需要が増加するのに対し、医師不足の地域が多く、2036年には日本全国に335圏域ある二次医療圏のうち219圏域で医師が不足することが見込まれています。
オンライン診療は、こうした人手不足の地域で特に有効で、診察から服薬指導までまとめてオンラインで完結させることができます。
オンライン診療の流れ・メリット・対象疾患 【課題もある】により詳しく書いているので併せてご覧ください。
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以下では、オンライン診療のアプリについて、特に代表的なものを比較していきます。
CLINICS(クリニクス)
クリニクスは、メドレー株式会社 (介護求人サイトジョブメドレーを運営する会社)が提供しているオンライン診療アプリです。
特徴として、
1) 全国の1,000以上の医療機関を検索できる
2) 医療機関の探し方が複数ある
⇒エリアから探す
⇒かかりつけ医から受け取るQRコードから探す
⇒診療科から探す
3) アプリ内で病気のことを調べる機能がある。病名を検索すると、症状、検査・診断方法、治療法が表示される
4) アプリ内で薬のことを調べる機能がある。薬名を検索すると、効果・作用、副作用、用法・用量、使用上の注意、注意が必要な飲み合わせが表示される
などがあります。
スマホでもパソコンでも無料で利用可能で、医療費はアプリ上でクレジットカード払いを行います。
オンライン診療可能な日本全国の医療機関を検索できること、診療科別に医療機関を検索できること、提供している具体的な診療メニューと料金を事前に確認できるのが最大の特徴です。
病名や薬の検索機能があるのも魅力です。利便性が最も高いアプリなので、オンライン診療を受けるか検討している方が使うのにも便利です。
医療機関にとっての負担額は、初期費用50万円+月額費用3万円と言われますが、競合と比べて費用が高い分、フォローアップ体制に積極的に投資をしていて、担当の方も熱心です。
CURON(クロン)
クロンは、医療データへのAI活用事業に取り組むMICINが運営しています。
特徴として、
1) 全国の1,000以上の医療機関を検索できる
2) 体重/体脂肪率/最高血圧・最低血圧/ウォーキング・ランニングの距離/上った階数/睡眠分析などのヘルスデータを計測・記録管理できる
3) ヘルスデータを共有する設定にしておけば、オンライン診察時に医師もデータを閲覧できる
4) スマホ上で事前問診可能
などがあります。
医療費はアプリ上でクレジットカード払いします。
このアプリは、データを医師と共有したい人に特におすすめです。
フィットビットアプリ、オムロンコネクトアプリ(血圧測定の記録アプリ)、ヘルスケアApp、グルテストNeoアルファ(血糖値測定器)といった外部アプリもクロンとの連携が可能なので、これらを利用している人はクロンが便利です。
医療機関にとっての特徴は、CURONを導入するときにかかるコストが無料であることです。
YaDoc(ヤードック)
ヤードックは、インテグリティ・ヘルスケア社が提供するアプリです。
特徴として、
1) 記録した生活情報を医師と共有できる)
(血圧 / 脈拍 / 血糖値 / 体重 / 体温 / SpO2 / 歩数 / 消費カロリー / 水分摂取量 / 飲酒量 / 喫煙本数 / HbA1cなど)
2) スマホで問診可能
現時点では、スマホかタブレットの利用を想定しており、パソコンでの利用はできないことには注意が必要です。
医療費の支払いは、病院に行く時にまとめて支払う場合と、コイニーを使って決済する場合があります。
アプリについてを含め、不明なことは電話やメールで確認できる、サポート体制が整っているのでオンライン診療アプリの利用に不安がある方におすすめです。
医療機関にとっての初期コストは無料で、月額利用料が患者数に応じて変動します。患者数10名までのトライアル利用は無料で、それ以上を超えるとプレミアムプラン (月額3万円) となります。
ポケットドクター
ポケットドクターは、オプティム社とMRT社の2社が共同運営するオンライン診療アプリです。
2016年、オンライン診療サービスを全国で初めて提供しました。
特徴として、
1) 健康保険証や医療機関に提示する各種証明書をアプリに登録できる
2) ヘルスデータ (血圧、心拍数、脈拍数、体温、血糖値、酸素飽和度、体重、歩数) を計測し、オンライン診察時に医師に共有することもできる
ということがあります。
医療費はクレジットカード決済や医療機関での窓口で払います。
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 2018年にオンライン診療が保険適用になった
- 主要なアプリはCLINICS、CURON、YaDoc、ポケットドクターの4つ
- これからもますますオンライン診療が普及していく
今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。