処方箋なしで薬局で購入できる市販の痛み止めや解熱剤はたくさんあります。
しかし、実際の痛み止めの成分は5種類しかありません。この記事ではその5種類の使い分け方をまとめました。
この記事の内容
OTCに配合されている解熱鎮痛成分5種類とその使い分け
あまり知られていませんが、痛み止めと熱冷ましは同じ成分です。
そのため、解熱剤 (熱冷まし)と鎮痛剤 (痛み止め)は合わせて解熱鎮痛剤といいます。
解熱鎮痛薬は発熱や痛みを和らげる目的で使います。あくまで発熱や痛みの不快な症状を和らげるものであり、根本的な治療にはなりません。そのため、長引く場合には熱や痛みの原因を明確にすることが大事です。
この点については、家庭でできる危険な痛みの見分け方【市販薬よりもすぐ病院へ】に書きました。
[getpost id=”3681″]ドラッグストアで購入できる薬 (OTC薬) の解熱鎮痛成分は5種類あります。
アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリン、イソプロピルアンチピリンです。
それぞれには一長一短あるので、使い分けが必要です。
基本的には、アセトアミノフェンが一番安全だが効き目は一番弱く、他の薬はそれよりも強い効き目があるが副作用に注意が必要です。
15才未満の場合
15才未満の方にも使用できるのは、この5種類の中ではアセトアミノフェンしかありません。したがってアセトアミノフェンが入っている製品を選ぶ必要があります。
妊娠・授乳中の場合
妊娠が判明した時点で、アセトアミノフェン1択になります。もしアセトアミノフェンでは効かない場合は、病院を受診する必要があります。
授乳中はアセトアミノフェンに加えてイブプロフェン、ロキソプロフェンも使用できます。
インフルエンザの可能性がある場合
インフルエンザの場合の解熱・鎮痛目的に使われるのはアセトアミノフェンです。
特にアスピリンはインフルエンザ脳症という合併症を引き起こすので絶対に飲んではいけません。
イブプロフェンやロキソプロフェンはインフルエンザに対する安全性が確認されていないので、避けた方が無難です。
アセトアミノフェンのみ
医師が処方する薬であるカロナールやアルピニーと同じ成分である解熱鎮痛薬です。
代表的な薬の例として、タイレノールAがあります。
他にもラックル速溶錠もアセトアミノフェン製剤です。
上記2つは15才以上の方向けの薬ですが、7才以上から使用できるバファリンルナJや、3-14才向けの小児用バファリンチュアブル、1-10才向けのムヒのこども解熱鎮痛顆粒があります。
イブプロフェンのみ
アセトアミノフェンよりは効果がやや強めです。病院で処方されるブルフェンと同じ成分です。
代表的な薬の例として、リングルアイビーがあります。
イブメルトという薬もあります。
ロキソプロフェンのみ
イブプロフェンよりもさらに効果が強く、解熱鎮痛剤の代表格です。
代表的なのはロキソニンSです。
他にも、コルゲンコーワ鎮痛解熱LXαもロキソプロフェンによる解熱鎮痛剤です。
ロキソプロフェンの副作用として、長く服用すると胃が荒れてしまうということがあります。
そこで、胃を保護する成分を追加したロキソニンSプラスや、さらに痛み止め成分を追加したロキソニンSプレミアムが市販されています。
ロキソプロフェンは第1類医薬品という区分になるので、薬剤師さんがいる薬局でないと買うことができません。
アスピリンのみ
アスピリン (アセチルサリチル酸と書かれていることもあります) は、1900年頃から長い間使われ続けている解熱鎮痛剤です。
ロキソプロフェンに比べると、効果は弱い傾向にあります。
代表的な市販薬としてはバイエルアスピリンがあります。
胃粘膜を保護する成分を加えたバファリンAもよく使われています。
複数の成分が混ざっている商品
これまでは5種類の痛み止め成分がそれぞれ1つずつ入っているものを紹介してきましたが、2種類の痛み止めが混ざっている製品もあります。
例えば、アセトアミノフェンとアスピリンが入っているエキセドリンやアセトアミノフェンとイブプロフェンが入っているバファリンルナが代表例です。
外用薬の鎮痛薬
飲んで体の中から働く解熱鎮痛薬を紹介してきました。こういう薬を内用薬といいます。
それに対して、湿布などの体の外から働く外用薬もあります。外用薬にもたくさんの種類があって長くなってしまうので、湿布タイプの鎮痛薬 【市販薬のおすすめ】という別記事にまとめています。
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まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 解熱剤と鎮痛剤は同じ成分
- 解熱鎮痛剤は5種類しかない
- 一番安全なのはアセトアミノフェンである
今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。