家庭でできる危険な痛みの見分け方【市販薬よりもすぐ病院へ】
執筆者
【生命医学をハックする】運営者 (@biomedicalhacks)。生命科学研究者、医師・医学博士。プロフィールはこちら

薬局やドラッグストアには、医師の処方箋なしで変える薬がたくさん市販されています。
軽い痛みなら、病院を受診せずにこれらで対処する方も少なくないでしょう。

多くの場合はこれで問題ないですが、中には危険な痛みのこともあります。
この記事では、家庭でできる危険な痛みの見分け方をまとめました。

危険な頭痛

頭痛で怖いのはこれらの症状です

一瞬で痛みのピークに達する
はじめて経験するような頭痛
視野にも異常がある頭痛
最近、頭をぶつけた後の頭痛

それぞれの頭痛は緊急事態で、すぐに病院受診が必要です。

一瞬で痛みのピークに達した頭痛、(40歳以上の方の場合)はじめて経験するような頭痛

これまでに経験したことのない強烈な頭痛に一瞬でなったという場合、最も怖いのはくも膜下出血という病気です。この頭痛はすぐに病院に行く必要があります。

視野にも異常がある

頭痛だけではなく、目が痛いとか視野に異常があるという場合は、目からくる頭痛の可能性があります。その中で一番怖いのは閉塞隅角緑内障という病気で、これは緊急事態です。
眼科で調べてもらいましょう。

最近、頭をぶつけた後の頭痛

頭を強くぶつけた時に出血があると、それが後々の頭痛の原因になることがあります。特にご高齢の方の場合、慢性硬膜下血腫という病気であることがあるので、安易に頭痛の薬を飲まない方がいいです。

危険な喉の痛み

風邪で喉が痛い場合と違って、次のような「喉の痛み」は安易に市販薬で対処できません。

口を開けにくい、呼吸がしにくい
唾液を飲み込んでも痛くない

口を開けにくい、呼吸がしにくい

口を開けにくい、呼吸がしにくいという場合の「喉の痛み」は緊急事態です。喉頭蓋 (こうとうがい) という場所が細菌感染を起こした喉頭蓋炎だと、重症化すると気道を圧迫して呼吸できなくなってしまう恐れがあります。すぐに病院を受診する必要があります。

唾液を飲み込んでも痛くない

風邪などで喉が痛い場合は、唾液を飲むと喉が痛くなります。
しかし、もしそうでない場合、考えられるのは喉以外に原因がある「喉の痛み」です。

首を捻ったなどの覚えがない場合、例えば心筋梗塞はしばしば首周りに症状が出ることが知られています。唾液を飲んでも痛くない喉の痛みは危険なサインです。

危険な腰痛

危険な腰痛には、このような4つの症状があります。

脚や尻がしびれる
尿が出ない、尿に血が混ざる
安静にしていても痛む、熱がある
ピリピリした痛みがある

順番に解説します。

脚や尻がしびれる

腰痛だけでなく、脚がしびれる場合、背骨の中を通っている神経である脊髄が圧迫されている可能性が考えられます。放置すると治らなくなってしまうので、すぐに整形外科を受診する必要があります。

尿が出ない、尿に血が混ざる

腰痛に尿が出ないとか尿に血が混ざるという症状も重なる場合、尿路結石腎結石という病気の可能性が考えられます。

これはすぐに泌尿器科を受診しましょう。

安静にしていても痛む、熱がある

腰痛や関節痛は安静にしていれば和らぐものです。しかし安静にしていても改善しないとか、発熱や体重減少があるなどの場合、内臓からくる病気、最も怖いものではがんの骨転移によることも考えられます。

病院を受診する必要があります。

ピリピリした痛みがある

電気が走るようなピリピリした痛みの場合、市販の解熱鎮痛薬で対応できるものはありません。帯状疱疹といった感染症の可能性もあるので、病院を受診しましょう。

その他の危険な症状

特定の場所ではないですが、注意が必要な危険な痛みをまとめました。

冷や汗が出る
痛みで起きる
はっきりしない痛み
2週間続く痛み

冷や汗が出る

冷や汗が出るくらいの痛みの場合、特にその痛みが胸痛である場合、心筋梗塞の疑いが強いです。これは救急車を呼ぶべきです。

痛みで起きる

睡眠中などの安静時には、痛みの症状はほとんどありません。もし痛みで起きるというような場合、それは市販薬で対処できるものではなく、内臓の病気や感染症の可能性があります。

はっきりしない痛み

どこか1つの場所ではなく、例えば顎や歯、顔へのしびれとか違和感があるという場合があります。このようなはっきりしない痛みは、放散痛と呼ばれる心臓病の症状かもしれません。

早めに受診が必要です。

2週間続く痛み

市販の解熱鎮痛薬で対応できるような痛みの場合、薬を使用して時間がたつにつれてだんだん良くなっていきます。

目安として2週間で80%の痛みが自然治癒します。もしそれ以上続く場合は、病院を受診しましょう。

家庭で使える痛み止め

もしここに挙げたものでない痛みならば、市販薬で少し様子を見てもいいでしょう。

痛み止めは大きく内服 (飲み薬) と外用 (湿布など体の外から作用する薬) があり、それぞれについて下記にまとめています。

内服: ドラッグストアの痛み止めの使い分け 【解熱鎮痛剤の種類と強さ】

外用: 湿布タイプの鎮痛薬 【市販薬のおすすめ】

病院で調べて明らかな病気が見つからない痛みの場合は、マッサージで改善することがあります。専門家が一般の方向けに書いた優れた本もあるので参考にしてみてください。

まとめ

最後に今回の内容をまとめます。

  • 危険な痛みが隠れているかもしれない
  • 痛み止めで様子を見ることも可能
  • 2週間以上続く痛みは自己判断せず必ず病院を受診

今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。

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