限度額適用認定証と高額療養費貸付制度 【高額な医療費でも大丈夫】
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【生命医学をハックする】運営者 (@biomedicalhacks)。生命科学研究者、医師・医学博士。プロフィールはこちら

医療費が高額になってしまった場合に、規定の上限額を超える部分については後で払い戻ししてもらえる高額療養費制度については高額療養費制度の概要 【年収別限度額計算の実例つき】という記事でまとめました。

この制度は、後で払い戻ししてもらえるとはいえ、いったん医療費を自分で払う必要があります。実際にそのような高額な医療費を用意するのは難しいというケースもあります。

そのため、この制度を支援する制度があり、これを使えば大きな医療費を用意する必要はなくなります。

限度額適用認定証を使う

例えば、1ヶ月の医療費が100万円かかったとしましょう。医療機関からの請求はその3割 (30万円) だとします。この金額は、一度自分で用意して支払う必要があります。

高額療養費制度を使えば、ある程度の部分は払い戻しをしてもらえますが、申請から払い戻しまでおよそ3ヶ月かかります。

高額な医療費をまとめて用意することは難しいという場合、窓口で一時的に払う医療費の負担を減らすための方法として入院するために「限度額適用認定証」を取得しておくといいでしょう。

これを取得し、医療機関や薬局で提示すれば、窓口での支払いは自己負担上限額 (例えば約9万円) までになります。

自己負担上限額は年齢や収入などで変動します。詳しくは高額療養費制度の概要 【年収別限度額計算の実例つき】でまとめています。

70才未満の方、および70-74才で非課税世帯 (住民税が免除・減額) の方は、加入している健康保険組合などに限度額適用認定証の交付を事前に申請しておきます。病院や薬局の窓口で認定証を提出すれば、自己負担上限額の支払いまでにできます。

70-74才で非課税世帯ではない方は、事前の申請は不要です。病院や薬局の窓口で保険証と高齢受給者証を提示すれば自己負担限度額を超えた部分の支払いは不要です。

75才以上の方の場合も事前の申請は不要で、この場合は窓口で後期高齢者医療被保険者証を提示するだけでOKです。

高額療養費貸付制度を使う

高額療養費が支給されるまで3ヶ月くらいかかってしまい、限度額適用認定証を持っていれば窓口での支払いが上限額まですむということを見てきました。

それでは、事前申請が間に合わなかったなどという理由ですでに請求が来てしまった場合にはどうすればいいのでしょうか?

こういった場合に使える制度が高額療養費貸付制度です。これは高額療養費の8-9割を、いわば前借りができる制度で、ありがたいことに無利子です。

もう少し分かりやすく説明しましょう。例えば医療費が100万円かかり、その3割である30万円を自己負担する必要があるとします。

高額療養費制度での自己負担上限額が9万円であるとすると、差額の21万円は後で (およそ3ヶ月くらいたって) 戻ってきます。しかし、いったんは30万円全額を医療機関に払う必要があります。

高額療養費貸付制度を利用すれば、3ヶ月後に戻ってくる21万円のうちの8-9割にあたる約18万円を各健康保険組合などがすぐに出してくれます。その結果として、医療機関には自己負担上限額である9万円と、貸付されない残りの1-2割である約3万円をあわせた12万円を支払えばよくなります。

一時的に30万円も用意しなくてはいけなかったのに、12万円でよくなるというわけです。さらに、もちろん貸付されなかった約3万円は高額療養費制度により申請からおよそ3ヶ月後に戻ってくるので、最終的な自己負担額は約9万円になります。

この方法は、公的医療保険に加入している方ならば誰でも利用できます。

保険料の滞納がある方の場合は利用できないこともあるようです。

申請手順としては、まず病院に高額療養費貸付制度を使いたいということを申請します。病院から医療費の請求書を出してもらい、その請求書と申請書を医療保険の窓口に提出することになります。

まとめ

この記事では、医療費が高額になっても実際に用意するお金は少なくて大丈夫にしてくれる心強い制度である限度額適用認定証・高額療養費貸付制度について解説しました。

両制度とも高額療養費制度を補完する仕組みですので、高額療養費制度の概要 【年収別限度額計算の実例つき】も合わせて読むとさらに理解が深まると思います。

アメリカでは医療保険は自分で全て用意しないといけませんが、日本ではありがたいことに国の制度がいろいろと整備されています。「知らないと損をする!国の制度をトコトン使う本」という本には、他にもさまざまな有用な制度が網羅的に紹介されています。

近年の医学研究では、病気の治療についての研究はもちろんですが、そもそも病気になりにくくする予防医学の研究が盛んになってきています。難解な用語を使わずにまとめた「健康の結論」などの良書もありますので、生活に取り入れることができそうな項目があればぜひ実践してみるといいと思います。

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