CRISPR-Casによるゲノム編集 【2010年代の総まとめ】

遺伝子編集技術についての画期的な成果が次々と報告されています。この記事では、2019年までの忘備録として、2010年代に登場して発展したCRISPR-Casによるゲノム編集についてまとめます。

最初にごく簡単にCRISPRの紹介をした残りの部分は、生命科学分野の方を対象として書いていますので、そうでない読者の方は恐れ入りますがご了承ください。

CRISPR (クリスパー) とは

遺伝子の機能を根本から調べるには、その遺伝子を壊したり改変したりするのが一番です。

これまでは1990年以降、ES細胞で操作して遺伝子改変動物を作ることができるようになりましたが、それ以外の一般の細胞では遺伝子を自在に改変することはできませんでした。

そんな常識を変えたのがゲノム編集技術です。ZFNやTALENなどの技術は2010年よりも前からあったのですが、2010年以降に登場したCRISPR (クリスパー) は非常に簡単なので瞬く間に普及しました。

万能細胞 (iPS細胞) の開発でノーベル賞を受賞した山中伸弥 先生も「この25年の中で、おそらく最も画期的な生命科学技術」と言っています。

また、生命科学系の研究者でこれからゲノム編集技術を取り入れたい方向けの入門書もあります。

この記事の残りの部分では、もう少し突っ込んで遺伝子編集の世界を見ていきます。

CRISPR-Cas系の概略

さまざまな細菌や古細菌において、構成要素や作用の仕方が異なる複数のCRISPR-Cas系が発見されてきました。

CRISPR遺伝子座はCRISPR配列 (spacerとも呼ばれる短いDNA反復配列領域) とさまざまなCas遺伝子からなっています。

侵入してきたウイルスやプラスミドの外来DNA (protospacer) の断片を新しいスペーサーとしてCRISPR配列に取り込みます。この過程に必要なのがCas1とCas2です (Cas1–Cas2 complex formation mediates spacer acquisition during CRISPR–Cas adaptive immunity. Nat. Struct. Mol. Biol. 2014)。

その後、CRISPR配列は前駆体転写物(pre-crRNA)として転写され、プロセシングされて成熟し、CRISPR RNA (crRNA) になります。crRNAは、Casタンパク質の助けを借りて同じウイルスなどの外来核酸を特異的に認識し切断するガイドとして機能し、いわば細菌や古細菌が持つ免疫システムとして働きます (RNA-guided genetic silencing systems in bacteria and archaea. Nature 2012)。

この過程を担うCasは単一の場合もあれば (Cas9, Cas12aなど)、複数のcasタンパクが協調して働く場合もあります。

Casタンパクは大きく2つのクラスから構成されていて、クラス1のCRISPR–Cas系は複数のCasタンパク質が複合体として必要なのに対し、クラス2のCRISPR-Cas系は1つでOKという違いがあります。

それぞれのクラスには3つのタイプ (合計で6種類のタイプ) があり、タイプ1, 3, 4がクラス1、タイプ2, 5, 6がクラス2に属しています。

Type I型ではCas3、II型ではCas9、III型ではCas10, V型ではCas12 (Cpf1) がキーとなるCasタンパクになります。

さらに、少し異なるサブタイプまで含めると、本記事執筆時点でCasは少なくとも29のサブタイプからなっています (An updated evolutionary classification of CRISPR-Cas systems. Nat. Rev. Microbiol. 2015)が、これらはどんどん増えています。

ゲノム編集に使われる2種類のCasタンパク質

Cas9とその変異体

Cas9はクラス2タイプ2のCRISPRシステムに属していて、単独のCasタンパクでDNA切断ができることから、最も広く使用されているゲノム編集ツールです。特にStreptococcus pyogenes (化膿レンサ球菌) 由来のCas9 (SpCas9)はもっとも最初に応用されたCas9です (A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity. Science 2012).。

SpCas9はPAMである5′-NGG-3’の直前にある20塩基を認識して結合し、そこに (より正確にはPAMの3塩基上流側と言われている) bluntでDNA2本鎖切断 (DSB) を引き起こします

SpCas9のPAMが5′-NGG-3’ということは、裏を返せば平均的に8塩基対に1箇所しか標的にできないということでもあります。この制約を緩和するために、direct evolutionによりさまざまな変異体Cas9が作られました (Engineered CRISPR-Cas9 nucleases with altered PAM specificities. Nature 2015)。

例えば、xXas9はNG, GA, GATをPAMとして認識できます。

また、同じアプローチにより特異性がより高いCas9変異体も探索されました (Evolved Cas9 variants with broad PAM compatibility and high DNA specificity. Nature 2018)。

逆の発想で、Cas9ではなく、guide RNAのスペーサー領域がつくる二次構造を操作することでも特異性が上昇するという研究も発表されています (Kocak et al. Increasing the specificity of CRISPR systems with engineered RNA secondary structures. Nat. Biotechnol. 2019)。

もともとは化膿レンサ球菌から得られたSpCas9を使っていましたが、他の微生物のCas9を使うことで、さまざまな配列をPAMとして使えるようになりました。

たとえば、ヨーグルトなどに利用されているサーモフィラス菌 (Streptococcus thermophilus) 由来のCas9であるStCas9は5′-NNAGAAW (WはAまたはTを表す)を認識し (Phage response to CRISPR-encoded resistance in Streptococcus thermophilus. J. Bacteriol. 2008)、髄膜炎菌 (Neisseria meningitidis) 由来のCas9であるNmCas9は5′-NNNNGATT-3’を認識する (Efficient genome engineering in human pluripotent stem cells using Cas9 from Neisseria meningitidis. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2013) という具合です。

特に注目すべきはPAMとして5’NNGRRT-3′(RはAまたはGを表す)を認識する黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) 由来のCas9 (SaCas9)で、SpCas9と同程度の遺伝子編集効率でありながら、SpCas9 (1368アミノ酸) と比べてサイズが小さい (1053アミノ酸) ので、サイズ制限があるアデノ随伴ウイルス(AAV)を使ったデリバリーも可能です (In vivo genome editing using Staphylococcus aureus Cas9. Nature 2015)。

より近年では、さらに小さいCas9がカンピロバクター・ジェジュニ (Campylobacter jejuni) から見つかりCjCas9(984アミノ酸)と命名されています (In vivo genome editing with a small Cas9 orthologue derived from Campylobacter jejuni. Nat. Commun. 2017)。

本記事執筆時点で最も小さいCas9はPhyla Deltaproteobacteria and Planctomycetes由来でありCasX (980アミノ酸) と呼ばれています(New CRISPR-Cas systems from uncultivated microbes. Nature 2017)。

Cas12a (Cpf1)

Cas9以外に遺伝子編集に使われているclass 2タンパクにはCas12a(昔はCpf1と言われていた) があります (Cpf1 is a single RNA-guided endonuclease of a class 2 CRISPR-Cas system. Cell 2015)。

Cas9の場合はPAMの5’側に認識配列が来るのに対し、Cas12aはPAMの3’側にあります。

https://www.spglobal.com/marketintelligence/en/news-insights/latest-news-headlines/46820490

Cas9による切断では平滑末端になりますが、Cas12aの切断では5’オバーハングの粘着末端になるので、標的のDNA配列を正確な方向で埋め込むなどの目的には有利です。

CRISPR-Cas系による遺伝子編集の仕組み

遺伝子欠損 (ノックアウト)が作れる理由

CRSIPR-Cas系によるDNA切断がなぜノックアウトになりうるのでしょうか?

それはDNA修復機構と関係があります。二本鎖DNA切断が起こると、それを修復しようという大きく2つの経路が働きます。

1つは非相同末端結合 (NHEJ)ですが、これはエラーが起きやすく、2つのDNAが繋がる時に数ベースの欠損や挿入 (indel) が起こりうるのです。そうするとフレームがずれ、結果的にノックアウトになる場合があります (ならない場合もあります)。

もう一つは相同組み換え (HDR) で、今はもう古典的になったES細胞を使ったノックアウトマウス作製のように、相同アームを持つターゲティングベクターを用意することで、HDRの結果としてターゲティングベクターに用意した内容がゲノムに挿入され遺伝子編集ができるのです。

わかりやすい動画もあるのでご覧ください。

ガイドRNA2つによる遺伝子編集

1箇所だけではなく、遺伝子内の2つの部位を同時に標的にすることによって、その間の領域を欠失させることができます (Genome-scale deletion screening of human long non-coding RNAs using a paired-guide RNA CRISPR-Cas9 library. Nat. Biotechnol. 2016).。

中には100万塩基対も離れている部分を標的としてその欠失が得られたという報告もあります (Megabase-scale deletion using CRISPR/Cas9 to generate a fully haploid human cell line. Genome Res. 2014).が、一般的には欠失させるサイズとその頻度の間には逆相関があり (Characterization of genomic deletion efficiency mediated by clustered regularly interspaced short palindromic repeats (CRISPR)/Cas9 nuclease system in mammalian cells. J. Biol. Chem. 2014)、短い欠失ほど容易に得ることができます。

2つのガイドRNAで切れたところに、目的のものをノックインすることもできます。

Homology-independent targeted integration (HITI) という方法では、ノックインしたいものもベクターとして一緒に導入し、ゲノムを切る2つのガイドが、ベクターも切断して細胞内でノックインしたいものを切り出すことで、効率がかなり低いHDRに頼るのではなくNHEJに基づいてノックインができるというシステムになっています (In vivo genome editing via CRISPR/Cas9 mediated homology-independent targeted integration. Nature 2016)。

CRISPR-Cas系による染色体転座の誘導

異なる染色体上の部位を標的にした2つのCRISPR/Cas9系を使えば、転座も誘導できます。実際、人の腫瘍で見られる転座による融合タンパクの機能を研究するのに応用されています ( In vivo engineering of oncogenic chromosomal rearrangements with the CRISPR/Cas9 system. Nature 2014)。

簡易的な相同組み換えによるゲノム編集

NHEJによるノックイン法の弱点は、予期しないindelやドナーベクターの挿入が起こりうる (ので細胞クローニングを行って正しく入っているものを選別しないといけない) ことです。

この課題を克服するために、相同組み換えを使ったノックインも行われてきました。それぞれの配列ごとにターゲッティングベクターを作るということを回避するために、一本鎖DNA(ssDNA)を使ったGFPタグのノックイン法が開発されました (A scalable strategy for high-throughput GFP tagging of endogenous human proteins. Proc. Natl Acad. Sci. USA 2016)。

この方法の肝は、GFPを (GFP1-10) とGFP11の2つに分割しておくことができ、GFP1-10を別に組み込んでおけば、タンパクに結合したGFP11がGFP1-10を呼び寄せ、結果として目的のタンパクをGFPタギングしたことと同じようになること (Protein tagging and detection with engineered self-assembling fragments of green fluorescent protein, Nat. Biotechnol., 2005) です。

Split-GFPのGFP11は16アミノ酸しかないので、合成DNAで簡単に作製することができます。

https://www.pnas.org/content/113/25/E3501.long

マウスのES細胞に複数のHDRを同時に行うことで、正確な1塩基置換をたくさんもつマウスを作製する方法も発表されました(One-step generation of mice carrying mutations in multiple genes by CRISPR/Cas-mediated genome engineering. Cell 2013)。

ゲノム編集エラーの修正

ゲノム編集の際に起こりうるエラーを回避するため、CORRECT(consecutive reguide or re-Cas steps to erase CRISPR–Cas-blocked targets)と呼ばれる方法が発表されました (Efficient introduction of specific homozygous and heterozygous mutations using CRISPR/Cas9. Nature 2016)。

エラーの主な原因は、組み変わった後もCRISPR-Cas9により認識される部位が残っているため何度も何度も切断され、修復の回数が増える結果ミスの可能性が増えることによるものです。

そのため、この方法では組み変わった後ではもう認識されなくなるようなmutationを入れておき、そして再度そのmutation用のguide RNAまたは別の種類のCas9を使って目的の遺伝子変異体を得るという2段階の方法です。

https://doi.org/10.1038/nature17664より引用

塩基編集

塩基を編集することは、疾患モデルの作成や治療法の開発にとって重要です。

C→T変換 (G→A変換)

二本鎖切断を誘導せずに目的部位を操作するため、DNA切断活性を失わせたCas9 (dCas9) が開発されました。

ラットのAPOBEC1や、ヤツメウナギのシチジンデアミナーゼ1などのシチジンデアミナーゼをdCas9に融合させると、標的のCをT (または反対側の鎖のGをA) に変換することができます (Programmable editing of a target base in genomic DNA without double-stranded DNA cleavage. Nature 2016)。

APOBEC1を、16残基のXTENリンカー、dCas9、ウラシル型グリコシラーゼ阻害剤に融合させる(APOBEC1–XTEN–dCas9–UGI) という第三世代のエディタ(BE3)は、哺乳類細胞の標的ヌクレオチドについて15~75%の割合で塩基変換ができるようです。。

塩基編集の特異性を高めるために、高忠実度Cas9を使う方法も提案されました (Improving the DNA specificity and applicability of base editing through protein engineering and protein delivery. Nat. Commun. 2017)。

融合タンパク質間のリンカーの長さを最適化し、ウラシルグリコシラーゼ阻害剤を増やして2つにした第四世代の塩基エディタも開発されました (Improved base excision repair inhibition and bacteriophage Mu Gam protein yields C:G-to-T:A base editors with higher efficiency and product purity. Sci. Adv. 2017)。

A→G変換 (T→C変換)

これまではシチジンを対象とした編集でしたが、A→G (またはその反対の鎖のT→C) 変換ができるアデニン塩基エディタ (ABE) も開発されました (Programmable base editing of A*T to G*C in genomic DNA without DNA cleavage. Nature 2017)。

人の疾患での遺伝子異常に対して治療目的に使っていこうという研究も始まっています (Adenine base editing in an adult mouse model of tyrosinaemia. Nat. Biomed. Eng. 2019)。

全ての編集を行えるprime editing

塩基には大きくプリン (A, G) とピリミジン (C, T) があり、プリン同士あるいはピリミジン同士の変換をtransition、プリンとピリミジン間の変換をtransversionというのはご存知の通りです。

これまで紹介した方法は、全てのtransition (C→T, G→A, A→G, T→C) を行うことができますが、反対にtransversion (C→A, C→G, G→C, G→T, A→C, A→T, T→A, T→G) についてはできませんでした。

2019年になり、これら12種類の可能な変換全てができるというprime editingが発表され注目を集めています (Search-and-replace genome editing without double-strand breaks or donor DNA. Nature 2019)。

クリスパーを使った網羅的スクリーニングの進捗

CRISPR-Cas9を使った遺伝子ノックアウトスクリーニングがやられるようになってきました。

1遺伝子あたり3-4個のgRNAを設計したレンチウイルスライブラリーを使って、18,000以上のヒト遺伝子をノックアウトできるということが最初に示され (Genome-scale CRISPR-Cas9 knockout screening in human cells. Science 2014)、例えば腫瘍の増殖や転移能にかかわる遺伝子をloss-of-functionアプローチで探索することなどに応用されてきました (Genome-wide CRISPR screen in a mouse model of tumor growth and metastasis. Cell 2015)。

Guide RNAライブラリーは、オリゴヌクレオチドをまとめて合成し、それらをレンチウイルスのプラスミドにクローニングして得られます。このguide RNAライブラリー設計を最適化することで、スクリーニングの質やスループットも改善してきています (Optimized libraries for CRISPR-Cas9 genetic screens with multiple modalities. Nat. Commun. 2018)。

単一遺伝子だけでなくダブルノックアウトスクリーニング手法も徐々に発表されてきています。人とマウスのU6 promoterの下流にguide RNAをcloningし、これらのライブラリーを切り出して連結した専用ライブラリーを作り、遺伝子相互作用の解析やがん遺伝子における薬物標的同定に応用されています (Synergistic drug combinations for cancer identified in a CRISPR screen for pairwise genetic interactions. Nat. Biotechnol.2017)。

DOI: 10.1038/nbt.3834から引用

CIRSPR-Cas9によるスクリーニング系の問題は多く2つあり、 一つはすべてのindelが遺伝子ノックアウトを引き起こすわけではないということ、もう一つは過剰なDNA損傷により細胞が死ぬことがありそれによってスクリーニングの解釈を難しくすることです。

これらの問題に対処するために、DNA切断を起こさずに塩基編集によりストップコドンを誘導してノックアウトをする方法CRISPR−STOPが開発され (Programmable editing of a target base in genomic DNA without double-stranded DNA cleavage. Nature 2016)、さらに真核生物8種の遺伝子の97~99%を標的とする340万を超えるguide RNAのデータベースが作成されました (CRISPR-mediated base editing enables efficient disruption of eukaryotic genes through induction of STOP codons. Mol. Cell 2017)。

今後はDSBを起こさずにできるこれらの手法も使われていくでしょう。

CRISPR-Cas9でイベントを記憶する

合成生物学的な観点になりますが、細胞が経験したイベントをDNAに書き込み、「記憶」させるという研究も進んでいます。

自己標的化gRNA(stgRNA)を使えば、Cas9とstgRNAの発現によりstgRNA自身の座位にindel情報を蓄積できます(Continuous genetic recording with self-targeting CRISPR-Cas in human cells. Science 2016)。

DOI: 10.1126/science.aag0511より引用

ゲノムに自分自身を標的にするguide RNAを組み込んでおくというこの手法はmammalian Synthetic Cellular Recorders Integrating Biological Events (mSCRIBE) と命名されました。

これを応用して、stgRNA遺伝子座をシークエンスし、蓄積された突然変異を調べることで、細胞が受けた刺激の持続時間や強度を定量できるように回路を設計したという論文も発表されました (Rewritable multi-event analog recording in bacterial and mammalian cells. Science 2018)。

DNAの変化は、娘細胞に引き継がれて行くので、CRISPRによるindelは細胞系譜の追跡に利用できます。実際、複数のCas9標的部位があるDNAバーコードを持つゼブラフィッシュ胚にCas9とguide RNAを注入し、バーコードに入ったindelを調べて、全細胞系統追跡を行った論文もあります (Whole-organism lineage tracing by combinatorial and cumulative genome editing. Science 2016)。

他のアプローチとして、MEMOIR(memory by engineered mutagenesis with optical in situ readout)) では、Cas9と単一分子蛍光RNAハイブリダイゼーション (smFISH)を融合させ、細胞の相対的な空間位置を保持したままDNA編集を可視化し系統追跡を行うことができます (Synthetic recording and in situ readout of lineage information in single cells. Nature 2017)。

筆者らがscratchpadとよぶ、Cas9によるDNA編集により壊れていく配列と細胞バーコードを埋め込んでおき、scratchpad特異的およびbarcode特異的なprobeを使ってFISHをすることでイベントを追跡する手法です。

doi: 10.1038/nature20777より引用

この辺りの分子記録についてはまだまだ書きたいことはあるのですが、長くなっているので、また機会があれば改めてまとめようと思います。

CRISPRでRNAも標的にできる

この記事では、DNA編集について特に重要な論文をかいつまんで紹介してきました。

実はDNAだけでなくRNA編集も可能であることが分かってきていて、目的の遺伝子の転写産物の量や局在制御、修飾研究が進んでいます。これについては、CRISPRによるRNA編集 【ゲノム編集以外の使い道】でまとめています。
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(将来の)ノーベル賞受賞者による発見物語

CRISPRによる遺伝子編集はノーベル賞が確実視されています。CRISPRの開発に携わった研究者の中でも、特に大きな功績がありノーベル賞受賞者としても有力なジェニファー・ダウドナ教授の手記も読み応えがあっておすすめです。

まとめ

まとめとして、2017年にnatureが公開したCRISPRのビデオを紹介します。知っておきたいミニマムがコンパクトにまとまっています。

今日も【医学・生命科学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。

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