犬付きの人々は、遺伝的な要因もあるかもしれないという研究がScientific Report誌に発表された。原題は「Evidence of large genetic influences on dog ownership in the Swedish Twin Registry has implications for understanding domestication and health associations」だ。
犬好きかどうかは遺伝的な要因でも決まる
これまでの研究では、幼い頃の犬との体験が、その後の犬付きかどうかを決定するということが分かっていたが、遺伝的要因も関わるのかについては知られていなかった。
今回、スウェーデンに住む世界最大規模の双子 (3万組以上) を調べて、遺伝的要因もあると結論を出した。
双生児 (双子) は大きく一卵性双生児と二卵性双生児があり、一卵性双生児同士は全く同じ遺伝情報になるのに対し、二卵性双生児は半分しか同じではない。
一卵性双生児と二卵性双生児の犬を飼っている確率を分析したところ、遺伝情報が全く同じである一卵性の方が、二卵性の双子よりも、兄弟間で犬好きか一致する確率は大きく上昇することが分かった。
コンピューターモデルを構築して詳細に解析したところ、犬好きかどうかに占める遺伝的関与の割合は、男性で約51%、女性で約57%だったという。
今後の研究の展望
2017年には犬を飼うことで人々に感情的な安らぎを与え、運動を増やすことで心臓病のリスクを下げることができるという論文も出ている (「Dog ownership and the risk of cardiovascular disease and death – a nationwide cohort study」)
今後は愛犬家となる遺伝子の具体的な特定や、その健康との関連をテーマにして研究を行うといっている。
太古から今に至るまで続いている人と犬の関係について、まだまだ新たな事実が見つかりそうだ。