じんましんの薬と病院の治療 【家庭でできる対応法も】
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【生命医学をハックする】運営者 (@biomedicalhacks)。生命科学研究者、医師・医学博士。プロフィールはこちら

蕁麻疹 (じんましん)は、10人に1人が一生に少なくとも一度は経験する症状です。この記事では、蕁麻疹の家庭でできる対応や、蕁麻疹の薬についてまとめました。

軽症の場合や初期の蕁麻疹は家庭で対応できる

蕁麻疹が起こった場合、症状が比較的軽いものや初期であれば市販薬を使って対処することが可能です。

かゆみを速やかに抑えたい時は、氷や保冷剤などで患部を冷やすのが効果的です。実際、蕁麻疹の患者さんの中には蕁麻疹が起きたらすぐ対処できるように保冷剤を常に携帯してる方もいます。

蕁麻疹は、皮膚にいる肥満細胞 (マスト細胞とも) から何らかの刺激によって放出されたヒスタミンがかゆみを引き起こしています

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そこで、このヒスタミンに対抗する働きがある、抗ヒスタミン薬というタイプの薬が使われます。蕁麻疹にはいろいろな種類がありますが、抗ヒスタミン薬は蕁麻疹の種類によらず効果が期待できます。

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ただし明らかな効果が期待できるのは内服薬 (飲み薬) として使った場合です。

内服薬の副作用としては、眠気が出やすいこと、前立腺肥大や緑内障という病気がある方はそれらの症状がひどくなること、などがあります。

外用薬 (塗り薬)は少し痒みを軽減する程度で、それほど大きな効果は期待できません。
軽症で皮膚のかゆみを一時的になんとかしたいという場合は塗り薬での対処も可能です。一度薬剤師に相談すると良いでしょう。

市販薬を一週間程度使っても改善しない場合は、薬があっていなかったとか、蕁麻疹の原因が他にある可能性が考えられるので医療機関 (特に皮膚科)を受診するようにしましょう。

じんましんの治療

蕁麻疹は症状がずっと出ているわけではないので、症状が治まってしまうと医療機関を受診するのを後回しにしがちです。

しかし蕁麻疹が頻繁に起こったりそれを長期間放置していると、重症化してしまったり、治りにくくなったりするので早めに治療を開始する必要があります。

蕁麻疹の原因を避けることができる場合

蕁麻疹の治療の基本は、できるだけ原因・悪化要因を探して、それらを避けるようにすることです。

原因が分かっている場合が、蕁麻疹の原因を取り除いて症状が起こらないようにします。例えば食べ物によるアレルギーがある場合は原因となる食べ物を避けるなどの対処をします。

原因が避けられない場合

汗などが原因となるコリン性蕁麻疹や、原因がはっきり分からない場合は、まず抗ヒスタミン薬を使います。

これらのタイプの蕁麻疹も、多くの場合症状を改善することが期待できます。

それでも十分に症状をコントロールできない場合は、抗ヒスタミン薬の量を増やしたり、別の薬に変更したりするなどの対応が検討されます。

注意点として、途中で薬の服用を中止してしまうと再発しやすくなります。症状が治まった場合も自己判断をせずに処方された薬は飲みきるようにしましょう

抗ヒスタミン薬を継続して使用することで蕁麻疹が起こりにくくなるとされています。

じんましんの新薬

抗ヒスタミン薬でも効果が少なかった場合に注目されているのが、オマリズマブ (ゾレア) という薬です。

ヒスタミンを抑えるのではなく、ヒスタミンを放出する肥満細胞が活性化しないようにする薬です。

もともと喘息 (ぜんそく) 治療に使われていた薬ですが、2017年からじんましんにも使えるようになりました。

医療機関で月に1回、肩に注射してもらう薬です。

これまでの治療で大きな効果がなく、原因不明の蕁麻疹などの条件があるので、医師に聞きましょう。

じんましんはいつ治るのか

蕁麻疹のほとんどは、一度だけ現れるか、1ヶ月以内に起こらなくなります(急性蕁麻疹)。

原因のはっきりしているものは原因を避けている限り症状は起こりませんし、何ヶ月、あるいは何年かすると少し刺激に触れたくらいでは蕁麻疹が起こらなくなります。

原因のはっきりしない慢性 (まんせい) 蕁麻疹の場合は、数ヶ月あるいは数年にわたり蕁麻疹が出ては消えということを繰り返すことが珍しくありません。

薬を飲んでいれば症状はおさまりますが、止めればまた元通りになってしまうことがあります。

したがって、慢性蕁麻疹の多くは、症状の有無によらずに長期間薬を飲み続ける必要があります。

ほとんどの場合は少しずつ薬の量を減らすことができ、最終的には薬を中止できるようになります

じんましん日記のすすめ

じんましんの治療をするために病院に行く時には、症状が出ているとは限りません。

日々のじんましんの膨らみ方、膨らみの数、かゆみの程度、変化などを記録しておくといいでしょう。手持ちのノートなどに書いて、病院に持っていきましょう。

関連サイト・図書

この記事に関連した内容を紹介しているサイトや本はこちらです。

日本皮膚科学会

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まとめ

最後に今回の内容をまとめます。

  • 一時的にかゆみを抑えたいなら患部を冷やす
  • 治療の基本は抗ヒスタミン薬
  • 症状がなくても薬を飲みきる

今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。

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