薬局にはたくさんの痛み止めの湿布があります。これらの貼り薬はそれぞれに特徴があります。この記事ではそれらについてまとめました。
外用薬と注意点
そもそも、市販の痛み止めでいいかをまず考えないといけません。痛みの中には怖い病気によるものもあるので、その見分け方を家庭でできる危険な痛みの見分け方【市販薬よりもすぐ病院へ】に書きました。
[getpost id=”3681″]家庭で様子を見る場合は、大きく内用薬と外用薬があります。
解熱鎮痛薬の飲み薬 (内用薬)については、ドラッグストアの痛み止めの使い分け 【解熱鎮痛剤の種類と強さ】という記事を書きました。
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それに対して、湿布などの体の外から作用する薬をまとめて外用薬といいます。
外用の鎮痛薬はいろいろなタイプのものがあります。大きく、冷感タイプのものと温感タイプのものがあります。
これらの使い分けは、使う方が心地よいと感じる方でいいのですが、基本的には急性の痛みには冷感、慢性の痛みは温感を使うことが多いです。
温感タイプの湿布は少し注意が必要です。貼った直後に入浴したり、入浴してすぐに貼ったりすると、皮膚に強い熱みや刺激感を感じることがあります。
入浴の1時間以上前に剥がしておき、入浴後も30分程度経ってから貼ることが推奨されています。
痛み止めの成分についても、いろいろなものがあります。
鎮痛効果はジクロフェナクが最も強く、次にケトプロフェンが続くという報告があります。一方で、サリチル酸系の薬は他と比べて鎮痛効果はマイルドです。
痛み止め成分 | メリット | デメリット |
ジクロフェナク | 他のものより鎮痛効果が高い | 光線過敏症のリスクがある |
ケトプロフェン | ジクロフェナクにつぐ効果 | 光線過敏症の報告が多い |
インドメタシン | 11才から使えるものもある | ジクロフェナクやケトプロフェンより効果が劣る |
フェルビナク | さまざまなタイプの薬がある | 授乳中の安全性は不透明 |
ロキソプロフェン | 内服薬ロキソニンが有名 | 商品数が少ない |
サリチル酸 | 最も安全 | 鎮痛効果がマイルド |
痛み止めの成分の選び方
鎮痛消炎薬はどれも同じ薬ではありません。メインになる鎮痛薬にも種類があり効果や副作用が異なるため選ぶ必要があります。
痛みがそこまで強くない場合、サリチル酸で十分です。
反対に鎮痛効果が強いものが良いのであれば、ジクロフェナクかケトプロフェンがオススメです。
授乳中の方は、フェルビナク以外であれば安全に使用できると言われている。一方で妊娠中 (特に妊娠後期)は湿布であっても安易な選択は危険で、病院で相談するべきです。
直射日光に暴露される部位はケトプロフェンとジクロフェナクを避けるべきです。そのため、使用後4週間は直射日光に当てないようにするべきです。
いずれにしても、5日ぐらい経っても改善しない場合は病院受診が必要です。
ジクロフェナク製剤
ボルタレンシリーズが該当します。テープやゲル・ローションなど、いろいろなタイプのものがあります。
フェイタスZシリーズもジクロフェナクが使われています。
インドメタシン製剤
サロンパスEXが代表的な製品です。
他にバンテリンコーワもあります。
ケトプロフェン製剤
ケトプロフェンパップがあります
サリチル酸製剤
サロンパスが代表的な製品です。
他にサロメチールもあります。
フェルビナク製剤
フェイタス5.0シリーズが代表製品です。
エアーサロンパスDXも噴射式の痛み止めでよく使われています。
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 急性の痛みなら冷感、慢性の痛みなら温感
- 痛み止めの成分はいろいろある
- 5日ほど経過しても改善しなければ病院を受診する
今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。