マイクロRNAのデータベース20選【miRNAの配列・発現・解析】

マイクロRNA (miRNA) は、22塩基ほどの小さな核酸ですが、生命科学において非常に重要な役割を担っています。

この記事では、主にマイクロRNAの実験に携わる方に向けて、執筆時点で利用可能なデータベースやウェブツールをまとめました。

miRNAの配列とアノテーション

miRBase

miRBaseはmiRNAの主要なリポジトリーで、全ての種の全ての既知miRNA配列とそのアノテーションが収集されています。

Rfam

RfamはRNAアノテーションのための統一システムで、miRNAファミリーについても情報が収集されています。

miRIAD

miRIADmは遺伝子内 (イントロンなど)にあるmiRNAとその宿主遺伝子に関する情報を宿主とするように設計された。

構造ツール

マイクロRNAの二次および三次構造は、特異的結合タンパク質による認識や他のRNAとの相互作用に重要です。

代表的なmiRNA構造予測ツールにはViennaRNARNAstructureが知られています。

マイクロRNAの発見ツール

新規miRNAの発見は複雑ですが、さらなる生命現象の理解に向けて必須です。この目的のために様々なツールが開発されてきました。

MiRscan

MiRscanは線虫における保存されたmiRNAの同定のための使いやすいツールです。

miRNAFold

miRNAFoldはゲノム中のmiRNAを大規模に予測するための迅速なアルゴリズムです。

miRDeep, miRanalyzer

miRDeepmiRanalyzerなど、次世代シークエンサー (RNA-seq)データに基づいて新規miRNAを同定するいくつかのツールもあります。

ChIPBase

ChIPBaseはmiRNAを含む小分子RNAを制御する転写因子についての情報が集まっています。

miRNAの標的予測

TargetScan

TargetScanは、配列の一致性に基づくマイクロRNAの標的となる遺伝子を予測するウェブツールです。

PITA

PITAもTargetScanと同様、有名な標的遺伝子予測ツールです。

DIANA-TarBase

DIANA-TarBaseは実験的にマイクロRNAの標的であることが確かめられた遺伝子についてのデータベースです。

miRecords

miRecordsは実験的に確認されたmiRNAの標的遺伝子だけでなく、上記の予測ツールが出す標的予測遺伝子をまとめて表示できるツールです。

miRNAと表現型との関連

HMDD

HMDDはキュレーション済みのヒト疾患関連miRNAを集めたデータベースです。

miRCancer

miRCancerは、がんとマイクロRNAについてのデータベースです。

SM2miR

SM2miRでは化合物とmiRNAについての包括的なデータを得ることができます。

ENCORI

ENCORI(旧starBase)はmiRNA相互作用ネットワーク解析は一般的な研究方向であり,多くのデータベースは特定の型の相互作用を記録する。頻繁に使用されるmiRNA相互作用データベースは、miRNAと他のRNAおよびceRNAネットワークとの相互作用に関するいくつかのデータセットを統合する。

PceRBase

PceRBaseは、植物においてmiRNAを抑える働きのあるCompeting endogenous RNA (ceRNA) に関するデータベースです。

miRandola, ExoCarta

細胞外miRNAは臨床応用に向けたバイオマーカーの有力な候補です。miRandolaExoCartaは、細胞外miRNAに関しての専門的なデータベースです (ExoCartaはエクソソームに関しての情報源)。

miRGator

miRGatorは、次世代シークエンサーによるマイクロRNA解析や、マイクロRNAの発現量などについてのポータルサイトです。

まとめ

最後に今回の内容をまとめます。

  • マイクロRNAの主要なレポジトリはmiRBase
  • マイクロRNAの同定や標的予測もある程度ツールで可能
  • マイクロRNAと病気に関するデータベースも作られつつある

今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。

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