尿酸値の話 【高い原因7つ】
執筆者
【生命医学をハックする】運営者 (@biomedicalhacks)。生命科学研究者、医師・医学博士。プロフィールはこちら

尿酸値が高いと痛風になりますが、なぜ高くなるのかについてはあまり知られていません。

そこでこの記事では、尿酸値が高くなってしまう原因と痛風についてまとめました。

尿酸値とは

私たちが生きていくうえで必要なエネルギーやDNAなどの原料になるのがプリン体と呼ばれる物質です。

このプリン体が、使われて不要となった老廃物の1つが尿酸 (uric acid)で、肝臓で作られています。

その尿酸は血液中と尿中に溶けていますが、尿酸がたくさんつくられたり (プリン体が多い食べ物を摂取した場合など)、尿での尿酸排泄が少なくなると、体の尿酸量が多くなってしまいます

尿酸値が高い状態を高尿酸血症 (こうにょうさんけっしょう)といい、そのままにしていると痛風が起こりやすくなるので生活習慣を見直すことが大切です。

プリン体はビールに多く含まれていることで知られていますが、肉や魚野菜をはじめ多くの食品に含まれています。

尿酸値が高くなる原因

尿酸が増えるのは、性別や体質、食生活や肥満などが関係しています。尿酸値が高くなる要因を紹介します。

男性
肥満
親族に痛風の人がいる
アルコール飲料を好む
甘い飲み物をよく飲む
肉や魚の内臓をよく食べる
血圧や血液サラサラの薬を飲んでいる

男性

高尿酸血症が続くと痛風が起こりやすくなります。

痛風を発症するのは、98%が男性で、女性は2%しかいません。 女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの働きで、尿酸が腎臓によって尿中に溶けて排出されるので、女性は男性に比べて尿酸値が上がりにくいのです。

肥満

内臓脂肪が増えると肝臓で尿酸がたくさん作られます。

また、肥満だと血糖値を下げるホルモンであるインスリンが膵臓からたくさん分泌されます。

関連記事65歳以上の3割が糖尿病! 糖尿病の基礎知識【分類と症状】

インスリンは腎臓から尿酸が排出されるのをブロックしていまうので、尿酸値が上がりやすくなります。

このように肥満と尿酸値には密接な関係があります。体重が増えると尿酸値が上がりやすくなり体重が減ると尿酸値も低下します。痛風を発症する危険性は夕食前が21以上23未満の場合に比べ、25以上30未満の場合で約2倍、35以上の場合で約3倍になります。

親族に痛風の人がいる

尿酸は主に尿から排泄されます。尿から尿酸を排泄する力が、体質的に少し弱い方がいます。

このような体質の方がプリン体を多く含む食品を取りすぎたりすることで、尿酸値が上がりやすくなります。

父親や兄弟といった親族に痛風の方がいる場合、体質が似ていたり、同じような食生活をおくっている可能性が高いので、痛風を発症しやすいといえます。

アルコール飲料を好む

アルコールは尿酸が肝臓で作られるのを増やし、逆に腎臓での排出を減らしてしまいます。

アルコールそのものに尿酸値を上げる働きがあるので、プリン体ゼロや低プリン体と書いてあるプリン体をあまり含まないお酒であっても注意が必要です。

また、飲酒によってエネルギーの高い食品をとりがちになることも肥満につながり間接的に尿酸値を上げてしまいます。

甘い飲み物をよく飲む

ジュース・清涼飲料水には果糖が多く含まれています。

果糖には尿酸値を上げる作用があります。果物にも果糖が含まれていますが、尿酸値を下げる働きがあるビタミンCや、プリン体が腸から吸収されにくくする食物繊維も含まれているので、取りすぎなければ問題ありません。

肉や魚の内臓をよく食べる

肉や魚にはプリン体が多く含まれていますが、特に内臓には多くのプリン体が含まれています。

血圧や血液サラサラの薬を飲んでいる

薬の副作用として尿酸値が上がってしまうものもあります。

有名な例では、高血圧の治療薬として使われる薬の一種であるサイアザイド系利尿薬 (フルイトランなど)が知られています。

また、血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぐアスピリン系の薬は少量使うと尿酸値を上昇させてしまいます。

高尿酸血症と痛風

尿酸値が7.0 mg / dlを超えると高尿酸血症です。高尿酸血症の方は国内で約1000万人いると推定されます。

高尿酸血症は自覚症状がないまま進行するので放置されていることも多いですが、これが長く続いてしまうと尿酸が溶けきれなくなり2年以上かけて関節などにたまります。 そしてある日突然激しい痛みを伴う痛風発作が起こるのです。

高尿酸結晶の治療のために医療機関に通院してる人は100万人を超えていて、ここ30年で大きく増えています。

痛風発作の痛みは、数日〜2週間程度で治まりその後痛みが現れない間欠期になります。

痛みが治まったからといって治療せずにいると、半年から一年後に再び痛風発作が起こってしまいます

痛風発作と間欠期を繰り返していると、痛風発作が起こる間隔が短くなり頻度が増え、痛みや腫れが長引き、常に痛みや腫れがおこる慢性期に進行してしまいます

健康診断などで高尿酸血症指摘されたのであれば、尿酸値が上昇しないように生活習慣や肥満などの改善に努めることが大切です。

関連サイト・図書

この記事に関連した内容を紹介しているサイトや本はこちらです。

65歳以上の3割が糖尿病! 糖尿病の基礎知識【分類と症状】

高尿酸血症・痛風 Minds版やさしい解説

まとめ

最後に今回の内容をまとめます。

  • 尿酸はエネルギーやDNAの成分プリン体からできた老廃物
  • 性別や体質、生活習慣で尿酸値が高くなる
  • 痛風発作は治療しないと間隔がどんどん短くなる

今日も【生命医学をハックする】 (@biomedicalhacks) をお読みいただきありがとうございました。

生命医学の知識や進歩を無料のニュースレターで

がんをはじめとする病気やよくある症状などの医学知識、再生医療などの生命科学研究は、研究手法が大きく前進したこととコンピューターの発達なども相まって、かつてないほどの勢いで知識の整備が進んでいます。

生命医学をハックするでは、主として医師や医学生命科学研究者ではない方や、未来を担う学生さんに向けた情報発信をしています。

2週間に1回のペースで、サイトの更新情報や、それらをまとめた解説記事をニュースレターとして発行しています。メールアドレスの登録は無料で、もちろんいつでも解除することができます。

サイト名の「ハックする」には、分かってきたことを駆使し、それを応用して、病気の治療や研究などにさらに活用していこうという意味があります。

生命医学について徐々に解き明かされてきた人類の英知を受け取ってみませんか?

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでも情報発信中

こちらの記事もいかがですか?
ブログランキング参加中 (クリックしていただけると励みになります)