英文法の基礎:第1-3文型の盲点 【TOEIC高得点を目指すために】

大学入試センター試験や英検・TOEIC・TOFELなどの語学試験では文法・語法が問われますが、ここは間違いやすい項目が分かっていればほぼ満点を狙える場所でもあります。実際、これまで英検1級・TOEIC 900台を取得してきましたが、文法・語法はボーナス問題だと思っています。

文法・語法は英会話においては間違っていても大きな問題になることはありませんが、文字の読み書きにおいては大きくニュアンスが変わることもしばしばあります。

そのため、しっかりした英文法・語法の知識を復習するのはとても大事なことと言えるでしょう。

この記事では、ある程度の英語力 (TOEIC 500 ~ 700程度) のある方に向けて英文法の初歩である第1~3文型のうち間違えやすい項目に絞って紹介します。

第2文型 (SVC)でよく出てくる間違いやすい動詞

「~になる」

「~になる」を意味する動詞にはbecome, come, fall, get, go, grow, make, turnなどがあり、それぞれに使い方があります。

becomeは、補語に名詞を置く動詞の中では最もよく使われています

He became teacher in 2010.

getはbecomeよりも口語的ですが、補語として名詞を置けないことに注意です (形容詞や過去分詞形を置きます)

Dinner is getting cold.

growの使い方はgetと全く同じで名詞を後ろに置くことはできません。「徐々に〜なる」というニュアンスがあります。

She was growing bored with her work.

fallはgrowとは正反対で、「突然」とか「急に」といったニュアンスがあります。

The baby always fall asleep after drinking milk.

comeは補語に使われる形容詞が限られていて、come loose (ゆるむ), come undone (外れる), come true (実現する) といったいくつかのフレーズで使われるのみです。

The handle has come loose.

goは「離れていく」とか「異常になる」とかいうニュアンスで、crazyやmadなどのよくない意味の形容詞や、independentやfreeといった離れていくという形容詞が使われます。

The boss will go crazy

turnのニュアンスは「変わる」です。年齢や職業の変化、色・味などを示す時に使われています。

I have just turned 10

makeは「〜のポテンシャルがある」というニュアンスです。補語には良い意味の言葉使われます。

The dolls make great toys for her.

五感を表す動詞

視覚から受ける印象はlook (~のように見える) で表します。Onとinの使い分けがあることにも注意です。

That dress looks good on you.
You look good in that dress.

音や言葉から受ける印象はsoundで表現します。

That sounds good.

嗅覚から受ける印象はsmellを使います。形容詞を補語とすることが多いですが、名詞を補語にして「~のにおいがする」という時にはofを入れ忘れがちです。

something smells delicious.
This room smells of cigarettes

このofを入れるのは味覚から受ける印象を表すtasteもそうで、例えばトマトの味がするというときには

It tastes of tomatoes.

「~のような」という意味をつけたい場合にはlikeを使います。例えばlook like (~のように見える), sound like (~のように聞こえる) といった具合です。

That sounds like good.
This clothes smells like cigarettes

自動詞と他動詞の区別

目的語をとらない動詞を自動詞、とる動詞を他動詞というのは文法の授業で習いましたね。自動詞 + 前置詞の形になると他動詞の働きがありますが、どちらでも使える動詞をわざわざ自動詞 + 前置詞で使うことはありません (つまり他動詞で使うということです)。

例えばmeetは「(人に)会う」という、自動詞でも他動詞でも使える動詞なので、I’ll meet with you (自動詞 + 前置詞)とは言わず、単にI’ll meet you (他動詞)とします。

じゃあmeetの場合、自動詞で使われるのはどんなときでしょうか? それは主語が複数で、「みんなで会う」のが言わなくても分かる場合です。

Let’s meet each other

目的語とは動作や行為の対象を表す名詞・代名詞のことですが、ここのeach otherは名詞ではないので目的語ではなく、meetは自動詞として使われていることになります。

他動詞と自動詞でよく間違えやすい同士の1つにdiscussとtalkがあります。discussは他動詞なのでaboutは不要ですが、逆にtalkは自動詞なのでtalkが必要です。

I discussed that with her.
I talked about that with her.

この他に自動詞と間違えやすいよく使う他動詞には

answer (~に返答する), approach (~に近づく), attend (~に参列する), consider (~について考える), describe (~を言い表す), enter (~の中に入る), marry (~と結婚する), mention (~に言及する), oppose (~に反対する), reach (~に到達する), resemble (~に似ている)

などがあります。これらはいずれも他動詞ですので、目的語の前に前置詞を置いてはいけません。

Thousands of fans attended the festival.
The train is approaching the final station.
You’d better consider your future

逆に他動詞と間違えやすい自動詞としてはこのようなものがあります。いずれも前置詞までセットで覚えておくといいです。

agree with (~に同意する), apologize to (~に謝罪する), hope for (~を望む), object to (~に反対する), reply to (~に返答する), search for (~を探す)

We searched for the lost puppy.

第3文型と前置詞句

他動詞の中には、ある特定の前置詞と一緒に「他動詞 + 目的語 + 前置詞句」の形で使われるものがあります。ここの前置詞句は、「..(のこと)を」という意味ならof、「..から遠ざけてさせないようにする」というニュアンスならfrom、「結果として…をもつように」という意味ならwithが使われます。

The company provides its staffs with company cars.
Don’t expect too much of him.

第3文型と副詞句

talkやlook, thinkは通常は自動詞扱いですが、副詞句を伴う慣用的な表現の場合は他動詞で使われます。

I couldn’t look her in the face. #look atではない
I talked my boyfriend into buying me a ring. # talked toではない

2番目の文章のtalk A into Bは「Aを説得してBさせる」という意味の慣用表現ですし、この逆のtalk A out of B、「Aを説得してBさせないようにする」という表現もしばしば使われます。

pick, turnやtakeなどの他動詞が、on, off, up, down, out, awayといった副詞と一緒に使われる場合、「他動詞 + 目的語 + 副詞」という順番でも「他動詞 + 副詞 + 目的語」の順番でもOKですが、目的語が代名詞 (you, him, her, itなど) の場合は必ず「他動詞 + 目的語 (代名詞) + 副詞」の順番になります。

Please let me think it over. # think over itではない
I’ll pick you up tomorrow. # pick up youではない

このような他動詞 + 副詞の形の慣用表現には他にもいろいろあり、よく試験に出てくるものをあげれば

carry ~ out (~を実行する)、drop ~ off (~を車から降ろす)、give ~ up (~をあきらめる)、have ~ on (~を身に着けている)、put ~ off (~を延期する)、put ~ out (火を消す)、talk ~ over (~をじっくり議論する)、throw ~ away (~を捨てる)、try ~ on (~を試着する)、turn ~ on (~をつける)、turn ~ off (~をけす)、turn ~ down (~を断る)、wake ~ up (~を起こす)

などがあります。

まとめに代えて

この記事では第1~3文型に関して、間違えやすい項目を中心に紹介しました。おそらく英検2級/TOEIC 500 – 600前後ではこの記事で紹介した全てを知っている方はほとんどいないでしょう。

ビジネスで使える水準にレベルアップしていくためには、小さな穴を少しずつ埋めていく必要があります。英文法解説: 時制とその使い分け 【TOEICやセンター試験対策】にも英文法を解説しているので合わせて読んでみて下さい。

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