切り傷や擦り傷といったケガの応急処置や三角巾の使い方について、この記事ではまとめました。
切り傷
特に野外でいちばん多発するのが切り傷です。応急処置の基本は感染予防と直接圧迫による止血ですが、出血の状態がひどい場合はすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
1) 流水で汚れを流し落とす (過度に洗うと患部をふやかして しまうのでほどほどがよい)
野外でのケガ の場合は、泥などの異物が付着していることもあるので、まずは傷口を洗浄します。
清潔で流れの勢いもある水道水を使うのがベストですが、もしそこになければ市販されて いる飲料水などでもいいです。
2) 洗浄が終わったら、感染を防ぐために消毒します。表面に消毒液を使う程度にとどめ、ゴミなどが傷の内部に見えていても、無理に取り出そ うとしてはいけません。
3) 傷口の上に清潔なガーゼ (ない場合は、ライターの熱などであぶったバンダナなどでもOK)を当て、上から押さえて止血します。
一度当てたら外さないようにしてください (外すと血が固まりません)。 ガーゼに血がにじみすぎるようなら、さらに当て布を追加します。
4) 直接圧迫法だけで止血できないようなら、患部を心臓より高く揚げる高揚法も有効です。
擦り傷
ひじ、ひざ、顔など、特に小さな子には擦り傷がつきものです。基本的な処置は切り傷とほぼ同じになります。
まずは傷の表面を軽く洗って汚れを取ります。砂粒などが食い込んでいても、 無理に取らないほうがいいです。
擦り傷の手当ては、ひと昔前は乾かすことを主眼にしていましたが、最近はフィルムで覆って外気と遮断しながら治癒を待つ湿潤療法が効果的と言われています。
湿潤療法は従来の方法に比べて直りが早く、傷跡も残りにくいという特徴があります。
切り傷や擦り傷の家庭でできる正しい応急処置【消毒液はもう古い】も合わせてお読みください。
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防水効果の高い傷用フィルムも販売されているので、それを張っておけばいいです。
刺し傷
ものが刺さった時の処置で重要なのは、刺さった異物を抜こうとしないことです。刺さっているからこそ血が止まっているのに、抜くと出血してしまうからです。
刺さったものが長い場合は先端を切ってもいいですが、絶対に抜かないようにして処置を行ないましょう。逆に抜かなければ、 表面的な出血は切り傷などに比べ て少ない場合が多いです。
刺さったものが動かないようにしっかり固定して、病院に向かいましょう。
目に刺さった場合は、特に専門家の対応が必要です。現場でできることはなるべく目を保護することです。
2つの目は連動して動くので、無意識にものを見ようとした時にケガをした方の目も一緒に動いてしまします。
そのため、健康な目もつぶって。 まず眼球が動かないようにします。
次に、底に穴をあけた紙コップなどで怪我をした方の目と刺さったものを覆い、包帯を頭にまいて紙コップを固定します。この時に健康な目も一緒に巻いてしまい、視界をふさいでしまうと無意識に目を動かすことが少なくなって安心です。
骨折と捻挫
骨折と捻挫 (ねんざ) は、ともに傷病部位が動かないように固定する必要があります。そんな時に役立つのが三角巾です。
三角巾の使い方を確認しておきます。
三角巾の使い方
応急処置の基本となる三角巾は、使ったことがないと難しく感じることもありますが、一度やり方をみておけば簡単に使えるものだということがわかります。
例えば、腕を固定したいのであればこのように三角巾を使います。
捻挫した場所が足首なら、こちらのようになります。
もちろん、病院受診も忘れないようにしましょう。
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 切り傷と擦り傷は最も多いケガ、対処法を確認しておく
- 刺し傷は、絶対に抜いてはいけない
- さまざまな用途で使える三角巾
今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。