高血圧の患者さんは日本国内に4000万人もいて、あまり大きな症状がないことこそが怖い病気だという話を書きました。
[getpost id=”1766″ title=”関連記事” target=”_blank”]今回は、血圧を下げる上で気をつけた方がいい食事の注意点をまとめます。
そもそもなぜ血圧を下げるのか
血圧を下げる本当の目的は別の記事で書きました。
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端的にいうと、体の大事な臓器を守るためです。
食事も、血圧という「数値」のためにやっているのだと考えるとあまり長続きしないかもしれませんが、重要な臓器を守るためだと思えば続けられそうですね。
高血圧の方、気づかないうちに血圧を上げるような食生活をしていることが多いです。「血圧が高め」といわれたら、まず食事の内容を見直すことが大切です。
塩分を1日6g未満にする
1日の食塩摂取量を6g未満、つまり1食あたり約2g未満を目標にします。世界的にみても日本人は塩分をとりすぎているので、まず減塩です。
1日あたりの塩分摂取量の目標を、日本高血圧学会のガイドラインでは「6g未満」としていますが、ガイドラインでは「より少なくすることが理想」とも書かれています。
なぜかというと、アメリカでは理想的な摂取量を「3.8g」としているからです。さらに、高血圧が急増している中国からは、「メタボリックシンドロームの人ほど塩分の影響を受けやすい」というデータも発表されています。
もちろん、いきなりそこまで下げるのは難しいので、まずは6gを目標にしましょう。
汁物は塩分が比較的多く、毎食だと塩分の摂り過ぎになります。1日1回程度が望ましいです。
注意が必要なのは調味料です。
和風の顆粒だしなど便利なものもありますが、そこには化学調味料や食塩が含まれています。かつお節や昆布でだしを取った方がいいでしょう。毎回だと大変という場合は、化学調味料や食塩無添加のものも最近では売られています。
調味料に含まれる塩分の目安
よく使われる調味料に含まれる塩分の目安として、日本食品標準成分表から抜き出すとこのようになります。
ここに示しているのは小さじ1あたりですので、大さじ1の場合は食塩量を3倍してください。
調理料 | 小さじ1あたりの食塩量 (g) |
甘味噌 | 0.4 |
辛味噌 | 0.8 |
しょうゆ | 1 |
減塩しょうゆ | 0.5 |
ウスターソース | 0.5 |
中濃ソース | 0.3 |
ケチャップ | 0.2 |
マヨネーズ | 0.1 |
減塩のコツ
減塩のコツは素材がもつ、うまみや香りなどを引き出すことで調味料の使用量を減らすことです。
例えば、かつお・しいたけ・昆布などからだしをとるとか、青じそ・ねぎ・しょうがなどの香りを使うとか、柚子・酢などの酸味を利用するとか、こしょう・唐辛子などの辛味を足すとかです。
ハムやちくわなどの加工食品、しらす・たらこなどの塩分を多く含む食材も、調味料の使用量を減らすことにつながります。
ただし、これらの食品にも塩分が入っているのでパックをよく見ないといけません。「塩分」として書かれていることはあまり多くなく、「ナトリウム量」として栄養成分表示されています。
ナトリウム量(mg)に2.54をかけ、それを1000で割ったものが食塩相当量 (g) です。
例えばナトリウム400 mgと書かれていれば、400 x 2.54 / 1000 = 1 g の食塩だということになります。
野菜や果物、魚など旬の時期があるものは、その時期が一番美味しく、調味料が少なくても素材の味がカバーしてくれます。積極的に旬のものを使うといいでしょう。
野菜やきのこ、海藻類を増やす
カリウムには、腎臓から余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。
野菜や果物、きのこ、海藻に含まれているカリウムや食物繊維は血圧の上昇を抑える働きがあるのです。
また、これらの食材に入っているカルシウムが不足すると、血圧上昇につながります。
積極的にとった方がいいでしょう。
カロリー摂取はほどほどに
高血圧は生活習慣が大きく関係する病気です。減塩が大事ですが、肥満などでも高血圧につながるので、体重をコントロールして過度なカロリー摂取を控える必要があります。
個人差がありますが、一般的には体重を4~5kg落とすと血圧を下げる効果がみられます。
またカロリーを使うという点でも適度な運動は必要です。少し長くなるので別の記事にまとめました。
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まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 血圧を下げる基本は食生活の改善
- 1日あたりの塩分量は6g未満を目標に
- カロリー摂取を控え減量も重要
今日も【医学生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。