ストックホルム国際青年科学セミナーとは
毎年12月の第1週、通称「ノーベルウィーク」にスウェーデンの首都ストックホルムで科学に関するさまざまなイベントが開かれています。
ストックホルム国際青年科学セミナー (Stockholm International Youth Science Seminar, SIYSS) はその一つで、科学に強い関心を持つ世界各国の青年が集まり、1週間の間、お互いの研究についてディスカッションしたり、ストックホルム市民や高校生に科学のレクチャーをしたりしつつ、同時並行で開催されている一連のノーベル賞に関するイベントに参加することができます。
そしてそのノーベルウィークの最後には目玉イベントであるノーベル賞授賞式とその後の晩餐会があり、SIYSS参加者はこれらに招待されて参加することができるのです。
ストックホルム国際青年科学セミナーに参加するには
SYISSは渡航費、現地滞在費を含めて財団が全て出す代わりに、厳しい選考に通らないと参加できません。
世界各国から20数名と狭き門で、日本から参加できるのは2人です。
日本国内では国際科学技術財団が1987年から国内選考を実施し派遣者を決定しています。
「物理、化学、 情報、工学」領域または「生命、農学、医学」領域を研究/専攻している18-24才の方が応募できます。
「物理、化学、 情報、工学」領域から1名、「生命、農学、医学」領域から1名の2人しか通らないのでかなり狭き門ですが挑戦する価値はあると思います。
選抜方法と体験談 (倍率も)
少し前になりますが、SIYSSに応募したことがあるので今後応募をする方のためにその時の様子をまとめます。
応募時点で医学部医学科6年生の24才であり、18-24才で「生命、農学、医学」領域を専攻という条件はクリアしていました。
TOEICは800点台であり、700以上という応募条件もクリアしていました。
学部2年生から授業の合間や土日に医学研究をしており、そのときには筆頭著者として執筆した国際学術論文や国際学会発表の経験もありました。
まず、大学内で推薦できるのは「物理、化学、 情報、工学」領域と「生命、農学、医学」領域のそれぞれで1人ずつなので、希望者が複数いた場合には学内専攻が行われます。
そのときには大学内で他に希望者がおらず、学内選考なしで推薦をいただくことができました。
書類を準備して送ってしばらくすると、9月上旬に書類選考に通過したので最終面接に来てほしいという通知が来ました。
最終面接は9月中旬に東京で行われます。
当日行ってみると、「物理、化学、 情報、工学」領域から3人と「生命、農学、医学」領域から3人の6人が呼ばれていることが分かりました。
最終選考に合格できるのはそれぞれ1人ずつなので、面接試験の倍率は3倍ということになります (書類選考の倍率は不明です)。
面接ではなぜ応募したのか、どのような研究をやっているのか、将来展望などについて日本語で聞かれた後、外国人の面接官からは英語でストックホルムについて知っていることは何か、今年のノーベル賞は誰が取ると思うか (その理由も)などについて合わせて15分ほど聞かれました。
正直なところ英語で瞬時に答えるのはなかなか大変で、結果としても残念ながら採用にはなりませんでした。
その時に「生命、農学、医学」領域で採択されたのはアメリカの大学に通う日本人の方だったということもあり、語学力の差も結果に大きな影響があったと思っています。
<
ストックホルムでの様子は書くことができないのですが、選ばれし2名による体験談は公開されているのでそちらをご覧ください。
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 理系の学生ならノーベル賞授賞式に参加できるチャンスがある
- 採択されるには周到な準備が必要
- 日本から2名と狭き門だが挑戦する価値は大きい
今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。