日本の学生向けの科学の賞・コンクールまとめ 【小・中学生, 高校生から大学院生まで】
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【生命医学をハックする】運営者 (@biomedicalhacks)。生命科学研究者、医師・医学博士。プロフィールはこちら

次世代を担う方々にも科学に親しんでもらいたいと考える団体は多くあり、それぞれが趣向を凝らした科学コンクールや奨励賞を用意しています。

この記事では、小学生から大学院生までの広い意味での学生の方々が挑戦できるコンクールや賞をまとめます。

小学生を対象としたコンクール

自然科学観察コンクール (シゼコン)は、昭和35年から半世紀を超えて続く、全国の小・中学生を対象とした理科の自由研究コンクールです。

自由研究の発表の場として、自由なテーマでの作品募集を毎年行っています。過去の受賞者・参加者の中には、このコンクールをきっかけに、研究者の道を選んだ方も多くいらっしゃいます。

締切は例年10月末で、毎日新聞社と自然科学観察研究会が主催しています。

全国小・中学生作品コンクールは、子どもの文化教育研究所が主催するコンクールで、全国の小・中学生に自由研究のきっかけと発表の場を持ってもらいたいということで行われているコンクールです。

例年、文部科学省をはじめ、各団体が後援し、部門ごとに優秀な作品には「文部科学大臣賞」をはじめ各賞の授与も行っています。

毎年10月上旬が締め切りです。

全国児童才能開発コンテストは、財団法人才能開発教育研究財団が主催する小学生を対象とした自由研究のコンテストです。毎年11月中旬に締め切られ、県または市郡などで開かれる理科・科学作品展等の中から、その主催団体が推薦した作品を中央審査へ応募するルールとなっています。

チャレンジ全国コンクールというのもあり、通信教育で有名なベネッセが中心となって実施している小学生向けのコンクールです。

学年ごとにあるテーマについての研究を応募することができます。締切は9月上旬です。

中学・高校生を対象としたコンクール・賞

小学生のところにも書きましたが、自然科学観察コンクールは小・中学生を対象とした理科の自由研究コンクールですので中学生の方も応募することができます。

「科学の芽」賞は、小学生〜高校生までが応募でき、「小学生部門」,「中学生部門」,「高校生部門」に分かれています。

自然現象の不思議を発見し,観察・実験して考えたことをレポート用紙A4判 片面10枚以内にまとめます。

毎年9月中旬が締め切りになっています。

日本学生科学賞は、日本で最も伝統のある中学生と高校生のための科学自由研究コンテストです。1957年に創設されてから毎年開催されていて、5万点を超える研究作品が参加しています。

地方審査 (各都道府県ごと) で選ばれた優秀作品が、中央審査 (全国大会) で審査される形式なので、「科学の甲子園」と言われることもあります。

物理、化学、生物、地学、広領域 (複数の分野にわたる研究)、情報・技術の6分野が対象で、中学高校の生徒だけでなく同年代にあたる高等専門学校 (3年生まで) の方も応募可能です。

地方審査は例年9-10月、中央審査は12月下旬に行われます。

読売新聞社を中心に、全日本科学教育振興委員会、独立行政法人科学技術振興機構、内閣府、文部科学省、環境省といったそうそうたる団体が協賛・後援しています。

EUヤングサイエンティストコンテストは、1989年に始まったEU(欧州連合)が主催する科学コンテストで、毎年9月下旬にEU加盟国で開催されます。

EU加盟国だけでなく、ロシア、イスラエルなど約30カ国が参加します。日本・アメリカ・中国・韓国は「ゲスト国」の扱いで参加することができます。

中学生・高校生が物理、化学、動物学、植物学、宇宙地球科学、医学、エンジニアリングなどの分野で競います。参加するためには、まず提携している日本学生科学賞で優秀な成績をおさめる必要があります。

日本生物学オリンピックは、高校生以下の方を対象とした全国規模のコンテストです。

1次試験が10月下旬~11月上旬、2次試験が12月中旬~下旬に行われ、最終選考会は3月下旬に開催されます。

最終選考で優秀な成績をおさめると、国際生物学オリンピック (例年7月開催) の日本代表として参加することができます。国際大会では、世界の各国・地域から参加する代表たちと生物学を競い、生物学好き同士の友情をはぐくむことができます。

4000人を超える方が応募するものの、日本代表になれるのは4名程度ですので倍率1000倍の激戦です。

ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(JSEC)
「出る杭こそ伸ばせ」をコンセプトとした、高校生・高等専門学校生の科学技術の自由研究コンテストです。専門家による書類審査とプレゼンテーション審査で優秀な作品を表彰します。

対象となる研究分野は、伝統的な「理科」の範囲に加え、ロボット工学、数学、行動・社会科学などもあり、多岐にわたります。

自発的に考えて課題を見つけ、解決し、さらに展開しようとする力が身につきます。また、主催者は国際競争力を身につけてほしいと考えており、上位入賞者のうち数名(チーム)は、世界中から高校生が集まる「国際学生科学技術フェア(ISEF)」に出場することができます。

日本を代表する大学の多くが、JSECでの実績を入試で評価しています。2019年には、東京大学の推薦入試にも受賞者が合格し、他にも大阪大学、神戸大学、千葉大学、早稲田大学、慶応義塾大学、神奈川工科大学、の入試などで評価対象のコンテストとして認定されています。

都道府県ごとの地方審査はなく、全国審査に直接応募できます (毎年9月下旬~10月上旬が締め切り)。

文部科学大臣賞 (賞状、盾、研究奨励金30万円)他、各種の賞が用意されています。

インテル国際学生科学フェア(ISEF)は、伝統ある9-12年生 (中学3年~高校3年) のための科学研究コンテストで、 毎年5月にアメリカで開催されます。

ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(JSEC)で優秀な成績をとると参加することができます。

世界50ヶ国以上から約1500人の高校生が自分たちの研究を披露しあう「科学のオリンピック」で、1997年からインテル社がメインスポンサーとなりました。

物理、化学、動物学、植物学、地球科学、医学、コンピュータサイエンスなどを対象にしていて、1000人以上もの審査員が審査した数々の賞が授与されます。

例えば、22のカテゴリごとに優秀賞1~4等賞ともっとも優れた研究として部門最優秀賞が選ばれます。

Best of Category (部門最優秀賞)5000ドル
First Place Award(優秀賞1等) 3000ドル
Second Place Award(優秀賞2等)1500ドル
Third Place Award(優秀賞3等) 1000ドル
Fourth Place Award(優秀賞4等) 500ドル

22の部門最優秀賞の受賞者の中から、最も優れた研究にはThe Gordon E. Moore Award、次点の2研究にはIntel Foundation Young Scientist Awardが授与されます。

The Gordon E. Moore Award(1プロジェクト:7万5千ドルの奨学金)
Intel Foundation Young Scientist Award (2プロジェクト:5万ドルの奨学金)
Dudley R. Herschbach SIYSS Award (3プロジェクト:ノーベル賞授賞式参加資格)
Innovation Exploration Award (3プロジェクト: カルフォルニア工科大学、ジェット推進研究所等の訪問機会)
EU Contest for Young Scientists (3プロジェクト:EUコンテスト出場権)
Intel and Indo-US Science & Technology Forum – Visit to India (3プロジェクト:インドへの研修旅行)
Intel Foundation Cultural and Scientific Visit to China (5プロジェクト:中国への研修旅行)
London International Youth Science Forum – The Philip V. Streich Memorial Award (2プロジェクト:ロンドン国際ユースサイエンスフォーラム参加権)

グローバルサイエンスリンクシンガポールは、ASEANの中心であるシンガポールを舞台にして、2014年から開催されました。

アジア太平洋地域の中高生が高い関心を持ち、自ら研究を進めている分野について、同世代の生徒たちと活発な意見交換を行うアイディアコンテストです。

日本を含む各国から300名の中高生が参加し、口頭発表・ポスター発表が行われています。

大学・大学院生を対象としたコンテスト・賞

大学は学問をするところですので、各大学が研究成果に対して独自の表彰制度を設けている場合が多いです。このセクションでは、大学独自の制度以外で生命医学系のものを中心に紹介します。

iGEM (The International Genetically Engineered Machine competition)は、マサチューセッツ工科大学 (MIT) で毎年11月ごろ開催される合成生物学の大会です。主に大学生・大学院生が参加し、合成生物学の大会としては世界最大規模です。

参加チームは独自の生物学的デバイスを設計し、各種の遺伝子パーツを用いて完成させ、大会当日に作品についてのプレゼンテーションを行います。

2004年に初大会が開催されてから参加チーム数は伸び続けていて、日本からも10チーム以上、世界全体では200チーム以上、総勢4000人以上が参加しています。

学部生のみで構成されるチームの部門 (Undergraduate) と大学院生を含むチームの部門 (Overgraduate) に分かれています。

優れた発表をしたチームに各種の賞が贈られます。

ストックホルム国際青年科学セミナー(SIYSS)は12月の時点で18歳から24歳の日本国籍の学生の方が応募できます。

「物理、化学、 情報、工学」領域から1人、「生命、農学、医学」領域から1人、合わせて2名を選考し、ノーベル賞授賞式の時期にストックホルムに派遣する事業を行っています。

もちろんノーベル賞学者と交流することができます。SYISSについてはストックホルム国際青年科学セミナー 【ノーベル賞授賞式に参加できる】にもまとめています。

学振特別研究員は、大学院の博士課程の方が応募でき、採用されれば学生であるにも関わらず2~3年の間、日本学術振興会から返済不要の奨学金 (額面20万円/月) が支払われ、勉学に専念できるという制度です。

学振DC1申請書の書き方 【研究業績の目安も】という記事にまとめています。

また、学振特別研究員 (学振DC) は魅力的な制度であり競争率も低くはないので、他の団体も大学院生を経済的にサポートするためさまざまな制度を用意しています。詳しくは大学院の給付型奨学金一覧 【学振DCだけではない】をご覧ください。

日本学術振興会 育志賞は、人文学、社会科学及び自然科学にわたる全分野を対象に、学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士課程学生を表彰する制度です。

上皇陛下の天皇御即位20年に当たり、平成21年から創設された制度です。応募するためには、大学の長または学会長の推薦が必要です。

授賞総数は毎年度16名程度で、受賞者には賞状、賞牌及び副賞として学業奨励金110万円が贈呈されます。

まとめに代えて

この記事では、広い意味の学生の方々を対象としたさまざまな科学コンクールや大会、賞をまとめました。

いずれも栄誉ある賞ですし、惜しくも賞は逃してしまったとしても参加することで同世代の方たちと貴重な交流ができます。

大きな発見をするには、そのような発見をした偉人の考え方を学ぶのがいいかもしれません。「大発見の思考法」は、日本人ノーベル賞受賞者2人の対談をまとめた本です。

バイオ関係の仕事に興味があるという中学・高校生の方向けには「バイオ技術者・研究者になるには」という本もあります。

当サイトでも、生物学・生命科学研究者になるには 【理系研究者が語る】という記事で高校卒業以降の進路についてまとめています。

今日も【生命医学をハックする】 (@biomedicalhacks) をお読みいただきありがとうございました。当サイトの記事をもとに加筆した月2回のニュースレターも好評配信中ですので、よろしければこちらも合わせてどうぞ

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