視力検査の結果がよくなく、見えにくくなったときにお世話になるのがメガネやコンタクトレンズ。7割以上の方がこれらを使っています。
今回は特にコンタクトレンズに焦点をあて、スマートコンタクトレンズという新しい技術について見ていきます。
スマートコンタクトレンズとは
視力検査の雑学【基準、表、C、気球、サイト】でも書きましたが、学校検診などで幼い頃から聴力検査に比べて視力検査をする機会は多々あります。
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視覚にそれだけ頼っているということでもあり、視力の低下は日常生活にも大きな影響を及ぼします。
そんな時に使うコンタクトレンズは進化を続けていて、スマートコンタクトレンズとして視力改善以外の様々な機能を付加する研究が盛んに行われています。
奇跡の素材ともいわれるグラフェン(熱や電気を通しやすく、電子機器分野で広く活用が見込まれる炭素系の新素材)を使えば、赤外線スペクトルの光を感知したり、従来の大型感知器を小さなコンタクトレンズに収めることが見込めるのです。
例えば、実用化に向けて開発が進んでいるGoogleなどが進めている、涙に含まれるブドウ糖の濃度を計測して血糖値を推定するスマートコンタクトレンズです。
白内障や老眼のためのスマートレンズの開発も進んでいます。
他にも、コンタクトレンズにカメラを実装してまばたきでシャッターを切るものや、まぶしさの自動調整やオートフォーカス機能などが搭載されたスマートコンタクトレンズも開発中です。
実際、これらについてはサムスンやソニーから各種の関連特許が申請され、サムスンの特許はいち早く承認されました。早ければ2020年度の実用化が待ち望まれています。
スマートコンタクトレンズと拡張現実 (AR)
スマートコンタクトレンズでは、現実世界に情報を付加することも可能です。例えば、見ている風景に道案内の矢印が重なって表示されたり、観光スポットの看板が表示されたり。
コンタクトレンズではありませんが、拡張現実 (AR) を眼鏡型のデバイスに応用した「AR眼鏡(スマートグラス)」が登場し始めています。
代表的なものは、マイクロソフト社のHoloLensがあります。
日本では、ソニーがSmartEyeglass SED-E1を発売しています。
障害がある方の日常生活の助けにもなる拡張現実
AR技術を、目に障害がある方への補助的なデバイスとして活用しようという動きもあります。
例えば、QDレーザ社の網膜走査型レーザアイウェア(RETISSA)は、小型カメラで撮影した映像をレーザー光で網膜に直接投影する仕組みになっていて、角膜に障害があるとか眼鏡をかけても視力が改善しない重度の近視の方でも使用できます。
また、オトングラス社の眼鏡型デバイスOTON GLASSは識字障害の方のために作られていて、目の前にある文字を眼鏡が読み上げる機能があります。
https://youtu.be/VbFG7kiTg-Q
まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- スマートコンタクトレンズの研究が盛んに行われている
- スマート技術は拡張現実ARとの相性がよい
- 視力に障害がある方の補助にも有用
今日も【医学・生命科学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。