【医師おすすめ】 市販かぜ薬の選び方 【風邪薬7種類の比較】

薬局やドラッグストアにはたくさんの風邪薬が並んでいます。この記事では、症状に合わせた総合風邪薬の選び方や7種類のブランドのそれぞれの商品の比較をまとめました。

総合かぜ薬とその注意点

風邪 (感冒、かんぼうとも)は主にウイルスが褐変したことで急性上気道炎のことです。基本的に自然に良くなるので栄養や水分補給しつつ暖かくして休養するのが最善の方法です。

しかし時に発熱や喉の痛み、鼻水、咳などの症状がひどくしっかり休養できないこともあります。そのため必要に応じてそれぞれの症状に応じた薬を服用します。

総合感冒薬はこれらのよく使う薬をひとまとめにしたものです。しかし総合かぜ薬を飲む前に知っておきたい注意点が2つあります。

風邪が早く治るわけではない

薬局の薬や病院の薬を使っても風邪が早く治るわけではありません
そのためどうしても我慢できない症状がある場合に限って薬の使用を行います。

症状に合わせた最低限の成分が入っている薬を選ぶ

総合感冒薬には風邪によく使われる薬がたくさん入っているので便利ですが、その反面不要なものまで一緒に服用してしまうというリスクがあることに注意が必要です。

薬を選ぶ余裕がある場合には、不必要な薬で副作用のリスクを負うことがないよう、その人にとって最低限の薬が配合された製剤を選ぶことが大切です。

総合かぜ薬の主な成分

それでは少し具体的な成分を見ていきます。

熱に対する成分
喉の痛みに対する成分
咳に対する成分
たんに対する成分
くしゃみ・鼻水に対する成分

それぞれ順番に解説しますね。

熱に対する成分

発熱による辛さを何とかしたい場合には解熱鎮痛薬を使います。

注意点として、解熱鎮痛薬は発熱時の体温を1度程度下げることができますが熱を下げても風邪が早く治るわけではありません。

風邪による頭痛や関節痛筋肉痛などの痛みも和らげることができます。

インフルエンザである可能性も考えれば解熱鎮痛薬はアセトアミノフェンを選んでくのが無難です。

頭痛や筋肉痛などが強い場合はイブプロフェンが適しています。アセトアミノフェンとイブプロフェンを両方使っても効果はそれほど変わらないので基本的にはどちらか片方の成分で十分です。

関連記事ドラッグストアの痛み止めの使い分け 【解熱鎮痛剤の種類と強さ】

喉の痛みに対する成分

喉の痛みを何とかしたい場合には原則的に頭痛や関節痛などと同じで解熱鎮痛薬で対応可能です。解熱鎮痛薬だけでは物足りない場合はトラネキサム酸やうがい薬であるアズレンなども有効です。

咳に対する成分

咳を何とかしたい時にはデキストロメトルファンという成分が無難です。風邪などの急性の咳に効果があるという報告があります。

これと同じくらい効果があるものとしてはちみつが知られています。寝る前に10 gの蜂蜜をとると、夜の咳症状を和らげてくれます。

一方で乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、一歳未満の子にははちみちを食べさせてはいけません

たんに対する成分

痰の量や粘つきを何とかしたい場合に去痰薬を使います。あまり大きな効果や即効性は期待できませんが2歳以上の方であれば副作用も少なく使うことができます。

アンブロキソール、カルボシステイン、ブロムヘキシンなどが知られています。

くしゃみ・鼻水に対する成分

くしゃみや鼻水をなんとかしたい場合、抗ヒスタミン薬というグループの成分が有効ですが、効果が期待できるのは最初の二日程度でそれ以上使い続けても効果は残念ながら得られません。

代表的な成分にはクロルフェニラミンやクレマスチンがあります。注意点として、これらは副作用として眠くなるので車の運転はできません

また、緑内障や前立腺肥大の病気の方には使えません。

パブロンシリーズ

パブロンゴールドA錠


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: グアヤコール
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

パブロンSゴールドW錠


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: アンブロキソール、カルボシステイン

パブロンSα錠


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: マレイン酸カルビノキサミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

パブロンエースPro錠


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: アンブロキソール、カルボシステイン
その他: メチルエフェドリン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

パブロンキッズかぜシロップ


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: デキストロメトルファン
たんに対して: グアヤコール

パブロンキッズかぜ微粒


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない 
せきに対して: チペピジン
たんに対して: グアヤコール

ベンザブロックシリーズ

ベンザブロックSプラス(黄)


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
その他: メチルエフェドリン、トラネキサム酸、ヨウ化イソプロパミド、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ベンザブロックIPプラス(青)


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン、イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ベンザブロックLプラス(銀)


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: カルボシステイン
その他: ブソイドエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

エスタックシリーズ

エスタック総合感冒


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: デキストロメトルファン
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

エスタックイブファインEX


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: アンブロキソール
その他: メチルエフェドリン、ヨウ化イソプロパミド、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

エスタックイブ


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ルルシリーズ

新ルルAゴールドDX


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クレマチスチン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、トラネキサム酸、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

新ルルAゴールドs


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クレマチスチン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸、ノスカピン
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ルルアタックFXa


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クレマチスチン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: チペピジン、ノスカピン
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ルルアタックEX


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クレマチスチン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、トラネキサム酸
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ルルアタックTR


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: デキストロメトルファン
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、ヨウ化イソプロパミド、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

コルゲンコーワシリーズ

コルゲンコーワIB透明カプセルα


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: アンブロキソール
その他: メチルエフェドリン、ヨウ化イソプロパミド
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

コルゲンコーワIB錠TXα


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: アンブロキソール
その他: メチルエフェドリン、トラネキサム酸、ヨウ化イソプロパミド
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

新コンタックシリーズ

新コンタックかぜ総合


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: デキストロメトルファン
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

新コンタックかぜEX


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: デキストロメトルファン
その他: メチルエフェドリン、トラネキサム酸、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ストナシリーズ

ストナジェルサイナス


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: ジフェニルピラリン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸、ノスカピン
たんに対して: グアヤコール
その他: メチルエフェドリン、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ストナアイビージェルS


熱や痛みに対して: イブプロフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
緑内障や前立腺肥大の病気がある方は使用できない
車の運転をする方は運転できない
せきに対して: ジヒドロコデインリン酸
たんに対して: ブロムヘキシン
その他: メチルエフェドリン、トラネキサム酸、無水カフェイン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

その他シリーズ

カコナールこどもシロップa


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
せきに対して: デキストロメトルファン
たんに対して: グアヤコール
その他: メチルエフェドリン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

ムヒのこどもかぜシロップSα


熱や痛みに対して: アセトアミノフェン
鼻水に対して: クロルフェニラミン
その他: メチルエフェドリン
運動選手は服用できない (エフェドリンがドーピング禁止薬物に指定されている)

まとめ

最後に今回の内容をまとめます。

  • 風邪薬を飲んでも早く治るわけではない
  • 風邪薬はたくさんのブランドがあり、それぞれ異なる
  • 必要な最低限の成分の薬を選ぶ

今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。

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