動脈硬化は知らない間に症状が進行して、急に大きな病気を引き起こすのが怖いところです。
この記事では、動脈硬化を予防するための生活習慣についてまとめました。
この記事の内容
動脈硬化を予防するには生活習慣の改善が不可欠
動脈硬化は、血管の内側に脂質がたまってしまう結果、血管が細くなり、長い年月をかけて心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす病気だということを別の記事にまとめました。
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動脈硬化を予防するには、食事や運動を中心とした生活習慣の改善の積み重ねが大切です。
動脈硬化のリスク (危険因子)に応じて改善のポイントが異なります。
動脈硬化の一番大きな危険因子は、脂質異常症です。脂質異常症は、血液中を流れる悪玉コレステロール (LDLコレステロール) が高いタイプと、中性脂肪が高いタイプの大きく2種類あります。
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そこで、これらに分けてリスクごとに注意することを見ていきます。
LDLコレステロール値が高い場合に注意すること
LDLコレステロール値が高い場合には、基本的にLDLコレステロールを下げるというのが最も基本的な戦略になります。
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という記事にもまとめましたが、あらためて書くとこのようなことに注意が必要です。
白米より麦や玄米
野菜や大豆製品を意識して摂る
卵に注意
肉の油を控える
動物性脂肪である肉の脂は、悪玉 LDL コレステロールを増やす飽和脂肪酸を多く含んでいます。
一方で魚に含まれる油は LDLコレステロールを増やしません。
なるべく魚を食べる回数を増やし、肉を食べる場合でも脂身の少ない部分を選ぶようにしましょう。
白米より麦や玄米
麦や玄米は白米に比べて食物繊維を多く含んでいて LDLコレステロールを増えにくくします。これらに入っている食物繊維は心筋梗塞のリスクを低下させるという効果もあります。
野菜や大豆製品を意識して摂る
野菜や、豆腐などの大豆製品は脳卒中や心筋梗塞のリスクを低下させる効果が期待できます。
卵に注意
卵はコレステロールを多く含む代表的な食品で、鶏卵一個でLDLコレステロール値の高い人が1日にとって良いコレステロールの目安量1日 (200 mg)に到達していまいます。
とりすぎないように注意しましょう
中性脂肪が高い場合に注意すること
食べ過ぎに注意する
食べ過ぎによる肥満は中性脂肪値を上げます。反対に肥満の解消は中性脂肪値を下げることにつながります。
甘いものを控える
甘いお菓子や清涼飲料水などは糖質を多く含むため中性脂肪が蓄積しやすくなります
お酒を飲み過ぎない
お酒の飲み過ぎは中性脂肪を増やしてしまいます。 お酒を飲む場合は、男性はビールなら1日大瓶1本まで、日本酒なら1合くらいまでにしましょう。
女性や高齢の方はこれより少なめにしましょう
青魚を摂る
魚に含まれる油には LDL コレステロールを増やさないだけでなく中性脂肪を減らす効果もあります。特に勧められるのがさんまやイワシなどの青魚です。
LDLコレステロールにせよ中性脂肪にせよ、食事に注意しても血液検査の数値が改善しない場合には、飲み薬を使う方がいいかもしれません。
かかりつけの先生に相談が必要です。
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糖尿病や高血圧などの危険因子がある場合に注意すること
脂質異常症以外の動脈硬化の危険因子の中で重要なのは、糖尿病と高血圧です。
糖尿病がある場合の食事療法のポイントは、中性脂肪値が高い場合とほぼ同じで、食べ過ぎないことと甘いものを控えることです。
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麦や玄米、野菜などの食物繊維の多い食品は、LDLコレステロールを増やさないというだけではなく、血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。
高血圧がある場合は塩分を取りすぎないことが何よりも大切です。
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動脈硬化対策に進められる運動
動脈硬化対策には、ウォーキングなどの有酸素運動が進められます。
1日合計30分間以上の運動を、週に3日以上行うと良いです。
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有酸素運動と合わせて筋肉をつけるトレーニングを行うとより運動の効果が上がります。普段の生活で体を動かすことを意識するといいでしょう。
特に筋肉量が減少しがちなご高齢の方だと効果が出やすくなります。
関連サイト・図書
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まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
- 動脈硬化の予防の基本は生活習慣の改善
- 危険因子 (リスク) に応じて注意すべき習慣が変わる
- 有酸素運動も有効
今日も【医学・生命科学・合成生物学のポータルサイト】生命医学をハックするをお読みいただきありがとうございました。